遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

米大統領候補討論会 最悪の評価

2020-10-01 01:23:55 | 米国 全般
 佳境を迎える米国大統領選挙。世論調査でバイデン氏がリードするなかで両候補による討論会の第 1回目が開催されました。
 テレビ討論会の初回に、ケネディ氏がニクソン氏と対決し、それまでの劣勢を逆転したことなどが姦しく取り上げられ、劣勢のトランブ氏が、高齢で、認知症が取沙汰されるバイデン氏を得意のディベート力でどこまでやりこめるかが注目されていました。
 終了時点では、この討論会で 負けたのはアメリカ国民だ、この戦いに勝者はいなかったといった声が多く聞かれます。
 WSJの社説では、ワールド・レスリング・エンターテインメント(WWE)の試合のようなものになってしまったが、この言い方はレスラーに対しても不当かもしれない。彼らの方が、大統領にふさわしいとまで酷評しています。
 
【社説】気が滅入るような両候補の討論会 - WSJ 2020 年 9 月 30 日

 エイブラハム・リンカーンとスティーブン・ダグラスとの討論のようなものは期待していなかったが、ワールド・レスリング・エンターテインメント(WWE)の試合のようなものにする必要はあっただろうか。この言い方はレスラーに対しても不当かもしれない。彼らの方が、29日夜に開かれた米大統領選の第1回候補者討論会のドナルド・トランプ大統領と民主党候補のジョー・バイデン前副大統領よりも大統領にふさわしい。

 
討論会は、侮辱や頻繁な遮り、誇張、現在の米国政治のうその基準からも外れるようなあからさまなうそのオンパレードだった。恐らく数百万人の米国人が30分で見るのをやめてしまったのではないか。われわれも、これが仕事でなければ、やめていただろう。

 トランプ氏が力強さを見せつけ、バイデン氏をいらつかせたかったのは間違いない。しかし、
トランプ氏が頻繁に邪魔をしすぎたことで、バイデン氏はミスを犯す暇さえなかった。またトランプ氏は頻繁に話題を変えすぎたことで、バイデン氏が民主党の左派にコントロールされているという主張以外、何を言いたかったのかがよく分からなかった。司会者のクリス・ウォレス氏が実績を強調できる経済などの問題について尋ねたときでさえも、トランプ氏は話題から逸(そ)れ、バイデン氏の攻撃に転じていた

 
バイデン氏も大して変わりがなく、同じくらい相手の発言を遮っていた。また、人々を結束させたいと言う発言とは裏腹に、悪態だらけだった。トランプ氏を「人種差別主義者」や「愚か者」と呼び、「お前は黙れ」と口にしていた。また、トランプ氏と同じくらいのペースでうそを並べ立てた。特に目を引いたのが、既往症のせいで1億人が健康保険を失いかねないという主張だ。オバマ前政権は医療保険制度改革法(オバマケア)に移行する際、既往症者向けの特別基金を設立したが、その資金を受け取ったのは数千人だけだった。トランプ氏にはバイデン氏に反論できるほどの知識はなかった。

 
今回の失態に勝者はいない。ただバイデン氏は90分間、筋道立てて話をするという試験に首尾よく合格した。トランプ氏の働きも大きかった。ここ数カ月、バイデン氏の認知能力に疑問を投げ掛けており、そのせいで期待値が低くなったのだ。バイデン氏はそれをクリアした。ただし入念な台本を準備したことをうかがわせた。

 バイデン氏はトランプ氏の分断をあおる政治スタイルや新型コロナへの対応を一貫して批判した。だが真実はこうだ。
バイデン氏はマスク着用義務化を除き、これと言ってトランプ氏と異なるウイルス対策を打ち出していない。着用義務化もその後、口にしなくなった。バイデン氏が批判するのは主にトランプ氏の気質や自己中心主義であり、トランプ氏が発言を遮り、「あなたの方がひどい」となじったことでそれが強調された。トランプ氏は自身のパンデミック対策を実際より悪くみせることにまたもや成功した。

 
大統領のパフォーマンスについてひいき目に説明すれば他の現職大統領と同様、初回の討論会では自信過剰と準備不足が目立ったようだ。やや厳しい見方をすれば議論が進むにつれて頭が混乱し、冷静さも、話を始めたときの論点も見失ったと思われる。トランプ氏は答えの中でやみくもに話題を変え、自らの政策の確たる根拠をほとんど示さなかった。バイデン氏がトランプ氏は退役軍人を「まぬけ」や「負け犬」と呼んだと指摘すると、トランプ氏はそれに反論することなく、(バイデン氏の息子の)ハンター・バイデン氏の話を持ち出した。

 
司会のウォレス氏は両者の口論をいさめる難しい役目だったが議論に頻繁に割って入ることはその助けにならず、冗長な質問は議論の一方の側に肩入れすることが多かった。まるで同氏の日曜のインタビュー番組で、有権者に役立つ情報を引き出すべき場面なのにゲストをやり込める時のようだった。

 2人の副大統領候補による来週の討論会はもっと良くなると期待したい。もしかすると、どちらか一方が「大統領」らしい振る舞いを見せるかもしれない。


 トランプ氏の戦術は、老化と痴呆症の懸念のあるバイデン氏に対し、力強さを見せつけ、バイデン氏をいらつかせ混乱、立ち往生させるものとの予測は、衆目の一致する所でした。WSJも同じ見解。
 それを当然バイデン氏側も予測していますから、バイデン氏はトランプ氏の方を見るのではなく、テレビカメラを正視し、視聴者に向かって話す戦術。この姿勢は視聴者に迫ることで評価を高めたことと、トランプ氏に惑わされるのを回避することの両方の効果をもたらした様ですね。

 トランプ氏は、頻繁にバイデン氏の発言の邪魔をしすぎたことで、バイデン氏はミスを犯す暇さえなかったとWSJ。バイデン氏をイラつかせる戦術にこだわり過ぎで、裏目に出た。。
 またトランプ氏は頻繁に話題を変えすぎたことで、何を言いたかったのかがよく分からなかったと。
 司会者のクリス・ウォレス氏が、せっかく実績を強調できる経済などの問題について尋ねてくれたときでさえも、トランプ氏は話題から逸れ、バイデン氏の攻撃に転じていたとも。

 一方のバイデン氏も大して変わりがなく、同じくらい相手の発言を遮っていて、人々を結束させたいと言う発言とは裏腹に、悪態だらけだったのだそうです。日本国内の報道では、このことに触れているのは、私はみかけませんでしたが、「shut up」の言葉を発している場面は見ました。

 WSJは、今回の失態に勝者はいない。ただバイデン氏は90分間、筋道立てて話をするという試験に首尾よく合格したと。
 それには、トランプ氏の言動が大きく貢献したと。ここ数カ月、バイデン氏の認知能力に疑問を投げ掛けており、そのせいで期待値が低くなったのだ。期待値が低かったので、その低さのレベルはクリアできたということ。

 だが真実は、バイデン氏はマスク着用義務化を除き、これと言ってトランプ氏と異なるウイルス対策を打ち出していないと。
 遊爺も、視聴した範囲ですが、バイデン氏はトランプ氏の政策批判ばかりで、自らが大統領になった暁の政策展望を論じる場面は見ていません。断片的な切り取り報道しか観ていない成果もしれませんが。日本の野党と同じで、批判ばかりの印象。

 大統領のパフォーマンスについてひいき目に説明すれば、他の現職大統領と同様、初回の討論会では自信過剰と準備不足が目立ったようだとWSJ。
 やや厳しい見方をすれば、議論が進むにつれて頭が混乱し、冷静さも、話を始めたときの論点も見失ったと思われる。やみくもに話題を変え、自らの政策の確たる根拠をほとんど示さなかったと。
 高齢と認知症気味を露呈させる戦術に拘り過ぎて、その兆候を露呈させることが出来ず、ディール自慢のトランプ氏でも焦ったのでしょうか?

 WSJは、司会のウォレス氏にも触れていますが、トランプ氏は、敵はバイデン氏とウォレス氏だったとのツイートをアップしていますね。

 今回の討論で勝者は居ないとの評価ですが、日本のワイドショー他のTVでは、バイデン氏がややリードとの声が多いですね。
 米大統領選の直接対決…米政治の専門家はどう見た?

 残りの回でのトランプ氏の巻き返しがどうなるか。要注目ですね。



 # 冒頭の画像は、TV討論会の風景




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