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峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

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とどまらない少子化をどうする

2006年01月15日 | 暮らし
一昨日、午後7時からの青少年健全育成会の会合に出かける直前、出産の無料化の導入を検討していると語る猪口少子化担当相の記者会見の様子がテレビに映し出されていました。

いわゆる団塊【だんかい】の世代が親となり子供を産んだ1970年代前半の第2次ベビーブーム以降、出生数は坂道を転がるように減少の一途をたどり、1970年代前半200万人以上あったそれが昨年の推計では106万7千人となり、ついに死亡数107万7千人が出生数を上回ることになりました。いよいよ私たちの暮らすこの国は自然に人口が減っていく時代を迎えたのです。
高齢化が進み、産まれてくる子供が少なくなれば、自然と社会の活力が失われ、年金・医療などの社会保障制度にも大きな不安が生じてくることが容易に想像できます。

晩婚化、非婚化、結婚しても赤ちゃんを産み・育てることができない現実の労働の実態、経済的な問題、将来への不安等などが出生数減の要因と考えられます。
これに対し、政府はこれまでさまざまな少子化対策を打ち出してきました。しかし、一向に歯止めがかからないどころか、政府の予想を超える速さで深刻な事態が予想されるところまできてしまった感があります。

そこで政府は、2006年度予算で出産育児一時金を30万円から35万円に増額したり、児童手当の支給対象を小学3年生から6年生まで引き上げたり、2008年度から3歳児未満の医療費の2割負担を小学校就学時までに拡大したりと対策を強化してきています。
今回の猪口少子化担当相の発言は、そんな程度では少子化に歯止めはかからないという国の舵取りを行うリーダーの危機感の表れと一定の評価が与えられてしかるべきものと考えます。

それにしても私たちの国のリーダーのでたらめを改めて思います。高度経済成長期、高齢者の医療・福祉政策は、そこまですることはないだろうと思えるほどのものでした。ところが財政が厳しくなると、平気で後退・切り捨てです。
若い夫婦や子供の方は票にならないからでしょう。これまでずいぶんとおろそかにされてきました。
今さら、出生数が減って、このままでは国家の一大事だからと少々おいしいことを言われても、それは所詮、あんたたちの都合でしょうと若者は言うに違いありません。

私たちのこれまでの価値観や思想が変わらない限り、どんな法律を作ろうと、どんな経済的な支援策を講じようと、若い夫婦が子供を産み・育てるようにはならないと思います。

それでは、どうすれば若い人が結婚をして子供を産み・育てるようになるのでしょうか。
実は簡単なことです。若い人が、夫婦という関係はいいものだと思えるような夫婦が身近にいること。
人間が生まれ、人間が育つのを間近で見られ、彼らに関われることは楽しいことであり、これ以上ない喜びであると感じている親が身近にいることです。