乙女的日記*B

永遠の乙女を目指す日記。(B面)

ぶらんこ乗り いしいしんじ

2005-01-02 | 
 キョウハナンヨウビデスカ?
 ワタシハ、ナンノシゴトヲシテイマシタカ?
 
 と、言うようなみなさんコンバンハ。

 素敵な一冊に出会ったので、感想文を書くことにします。


 *** 『ぶらんこ乗り』いしいしんじ 新潮文庫 476円  ***

 本屋さんで、その可愛らしい装丁で手に取った本なのですが
 嬉しい出会いとなりました。
 いしいさんの本を他にも読みたくなりました。

 何と言うか、不思議な感覚になるお話でした。
 優しかったり綺麗だったり残酷だったり意地悪だったりするコトバで
 織られている美しい生地のような。 
 甘い、辛い、苦い、酸っぱい・・色んな味で作られた
 でも甘いコンペイトウのような。

 〈私〉には、
 コトバの天才で、人間離れした感性を持つ心優しい弟がいます。
 事故で声を失い、毎日庭のぶらんこの上で生活をし
 そこに来る色んな動物たちと話をできるようになります。
 そんな動物達から聞いた話で物語を作ります。
 
 それらの物語は、とても面白く興味深いものなのですが
 同時にとてもとても残酷だったりもします。
 動物の世界は、人間みたいに甘いものではないのですから。

 『本当なのかな。。』結構衝撃のお話もいくつかありました。
 弟の作った物語にどんどん引き込まれていくうちに
 この物語にも引き込まれていく
 そこが不思議な感覚につながるのかな。
 
 どこまでが本当でどこまでがお話?
 読み終えた後、この物語全てがそんな風に思っちゃいました。
 
 そんな風に思わせるなんて、スゴイ。 
 解説に『偉大なウソツキ』と、称していますが
 本当にそう。
 もっと いしいさんの『ウソ』を聴きたい!
 
 キレイなだけでは、キレイじゃない。
 甘いだけでは美味しくない。 
 そんな隠し味がされてた好みの物語でした。

 そして、
 動物園に行きたくなりました。