90年代初頭に BGV 用に撮影した100本を超える EDベータテープから厳選した85本をアップ完了。
「映像による絵画のためのフリー素材」として、これで完結です。
最後に残ったのがこのテープ。
隣りの信濃町大原にある神社 大原社です。
このお宮には”閑貞桜”と呼ばれる県の天然記念物の見事な姿のシダレヒガンがありました。
残雪の黒姫山を背景にした満開のその姿をビデオで撮影しようと行ったその日、NHKのドラマ撮影に遭遇。
平安時代を設定したドラマで、主演の東山紀之氏が撮影に挑んでいました。
多くのスタッフがシダレヒガンの根元を踏み付けて、隣りの畑にも踏み込むありさま。
あれが原因か、その後樹齢百年を超えると思われる桜は枯れてしまいました。
現在はクローンが何本も植えられて大きい物はかつての親に近い姿に育っています。
このテープには季節は春浅い3月ですが枯れる前の閑貞桜が写っています。
不自然に空を多く構成した構図ですが、これは雲が徐々に広がることを計算したためです。
計算通り黒姫から雲が沸いて広がってきました。
大原社上空に雲が流れ青空からの拡散光で雪面の色が変わりました。
テープ終了近くには雲が薄くなって雪面は再び眩しい白。
久しぶりにこのテープを再生したときは冒頭のシーンの画面構成が不自然で、これは使えないと思ったのですが。
でもそれは雲が流れてくることを予想したからでした。
それと、最後に旅の人が画面に入って右手の看板を立ち止まって見るのが入り込んでいたのでその手前でカット。
当時の民生用ビデオカメラの最高峰 Sony EDC-50 で撮影しましたが、アナログテープなのでどうしてもドロップアウトが発生します。
特にテープの頭1分位まではこんなのが出ます。これは最初の部分なのでこの先までカットしました。
絵の素材と割り切ればドロップアウトは無視してもいいんですが Premiere で処理したテープもあります。
30年以上前のデッキ DEV-9000 は最後まで頑張ってくれました。感謝!
参考にその後の閑貞桜のクローンの写真が出てきましたのでお見せします。
左の無残な姿が親 右が一番大きく育ったクローンです。これは8年前で今は更に大きくなりました。
今回の作業は終わってみれば大仕事でした。「お疲れした!」