半暮刻を読みました。
作者はいろんなことが言いたくて、書かれたんだろうという思いと、この主人公の二人は最終的にはどうなっていくんだろう?そう思うと一気に読んでしまいました。東京オリンピックでの五輪談合事件を思わせる話も引き込まれました。政治家への追求は及ばない、なるほどそうなのかな?フィンクションでありノンフィクションでもあるのか?いまだに残るパワハラ、セクハラの内情も側から見れば酷い行為なのですが、内部の人間は洗脳状態となっているので、それがわからない、そしてどんどん個人を追い詰めていく、責任感のある人はいずれはパンクしてしまう。パンクするまで自分自身も気づかない、そんな世界はまだまだあるんだと思います。デジタルタトゥーの怖さも感じました。江戸時代の罪人が入れ墨を入れられるようなものだと思いました。ただ主人公の二人はそれだけの罪を犯したことは事実です。一人はその罪に苦しみ、十字架を背負って生きていき、もう一人は罪悪感もなく、罪を犯したとも思っていなくエリート街道を突き進みます。
作品の中に出てきた「脂肪の塊」(モーパッサンの中編小説。1880年刊。普仏戦争を背景に,乗合馬車に乗り合わせた,「脂肪の塊」と呼ばれる一娼婦の純真な愛国心と,ブルジョア階級の醜悪さを描く。)を読んでみたいと思いました。