湯原修一の歓喜悦慶と聊かの慷慨憂愁, etc.

いつとはなしに眠りにおち微風を禿頭に感じて目が覚める。
このような生活に変わったらブログが更新されないかもしれません。

◇ 尾岱沼で見た異形(イギョウ)の人(?)

2017年02月12日 13時37分42秒 | 昔々の思い出
「網走監獄」という菓子を見て()、今から約40年も昔になる北海道旅行したときに遭遇した不思議な出来事を思い出しました。

*:昨日の拙ブログ記事ご参照

私は当時社会人でしたが、東京にあった企業内養成機関(訓練機関)で、全寮制の訓練生としての生活を送っていました。

1年目の6月下旬頃だったと思います。
繊細(?)な私の心に負った深手(**)を癒すために、どこか遠い知らないとろころを独りで訪ね回りながら気分転換したいと思い立ちました。
自分の車で北海道へ旅行しました。

**:大切に大切に想っているものを失うことを感受したくないまま年月が過ぎ、ようやくそれを思い知ったところでした。
(早い話が「長年の片想いの失恋」)┏(ー_ー|||)┓


本州を陸路(車)で北上し、最北端の大間からフェリーで函館へ渡り、→洞爺湖→札幌→旭川→北見→網走→阿寒湖→摩周湖→尾岱沼→厚岸→釧路→糠平湖などを回って、苫小牧からフェリーで大洗(?)へ ・・・

一応有給休暇願を出していたので無断欠勤扱いにはなりませんでしたが、一週間以上(?)も講義をサボることになりました。
そんな宜しくないことをした者はその訓練機関の長い歴史の中でも私ぐらいだったかもしれません。
旅から帰ったあと教務責任者の部屋に呼ばれました。
『自分を見つめ直すために旅に出ました』とでもいった気障な言い訳をしましたが、責任者からは、私の身の振り方にまで及んでまでの説教を滾々タラタラとされました。


前置きが長くなりました。

不思議なことに遭ったのは北海道の東端にある尾岱沼(オダイトウ)へ行ったときのことです。

有名なトドワラを見るために、野付半島に伸びる一本道を車で進みました。
車道が終わったところに車を置き、歩いて先に進んでいきました。

一本道では1台の車にも出遭いませんでした。
駐車している車もありませんでした。
寂寞とした風景の中に私ひとりだけなのかと、心寂しい気持ちになりながら海の上を延びた木道を歩き続けました。

先の方に、一人の人影が目に留まりました。
若い女性のようでした。
上下とも黒っぽい服を着ていました。
予期していなかった突然の出現にビックリしました。

人里離れた誰もいるはずがない場所(例えば樹海の中)に一人でいるとき、一人の人間にバッタリ出くしたとしたら ・・・
それがうら若い女性だったとしても、人心地つくよりも驚き(恐怖心)の方が先に立つと思います。
その女性に出遭ったときの私の心境はそのようなものでした。

冷静な思考ができなかったのでその時は特に疑問は感じませんでした。

近くを通り過ぎる時に一瞬目が合いました。
私とその女性の二人っきりしかいない辺鄙なところで出遭ったのですから、普通でしたら挨拶くらいはするものなのでしょうが、その時の私は直ぐ目をそらし、黙って通り過ぎました。
一瞬のことでしたが、そのクールビューティ(?)な面持が窺えました。

木道の上を歩きながら状況を振り返って考え込みました。
真に不思議な状況に思えてきたのです。

荒涼としたトドワラを見渡して引き返してきたとき
出遭った場所にその女性の姿はありませんでした。
車のところに戻るまで誰も見かけませんでしたし、私の車以外の乗り物もありませんでした。

色々と疑念が湧いてきました。
女性は一眼レフカメラを手にしていましたが、荷物らしいものは持っていませんでした。

どうやって野付半島の先端まで来たのだろう?
どうやって町まで帰ったのだろう?

野付半島の道路では行きも帰りも他の車とすれ違った覚えはありませんでした。
その女性が生身の人間だとしたら、私が野付半島に差し掛かったときには
既にその場所(またはその近辺)にいて、私がその場所に戻ってくるまでの少しの間に迎えに来た車(タクシーかなにか)で標津町のほうへ戻って行った、ということになります。

考えにくいシチュエーションでした。
そして出遭ったときの静かな雰囲気を思い起こしました。
なにやら見てはいけないもの、異形の物をみてしまったのではないかという、そんな心騒ぎを覚えました。
早く "人間" がいる町へ行きたいと、車をとばしました。

今でも憶えている、ずっと昔にあった不思議な体験です。

なんのことはない、タクシーの送迎でトドワラを撮りに来ていただけのプロカメラウーマンだったのかもしれませんが ・・・
  C=(´o`*)

私が北海道に行ったのは20代だったそのときの一度きりです。
カヅちゃんは未だ行ったことがないということなので、なるべく早い時期に(できれば今年中にでも)、一緒にアチコチ訪ねてみたいと思っています。

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