柳美里の今日のできごと

福島県南相馬市小高区で、
「フルハウス」「Rain Theatre」を営む
小説家・柳美里の動揺する確信の日々

悪夢

2019年05月15日 18時19分10秒 | 日記
具合が悪い時に、悪夢しか見ないのは、どうしてなんだろうか?
夢が願望充足ならば、苦しさから逃れるために、天国みたいな夢をみても良さそうなものなのにーー。

熱に浮かされて、2つの悪夢をみた。

1つ目は、5階建てぐらいの総合病院を訪ねる夢。
3階から上が入院施設で、わたしは4階の廊下を歩いている。
野戦病院のように簡易ベッドが隙間なく並べられ怪我人や重病人が寝かされている。
その中に、息子がーー。
筋無力症の末期のようにぐったりしている。
「たけ、ママといっしょに、おうちに帰ろう!」と泣く。
抱きかかえて外に出ると、空襲があり、息子に命中する。
息子の腹部に缶詰大の穴が開く。
絶叫しながら、血まみれの息子の骸を石段の上に寝かせるーー。

2つ目は、学校の中。
女子校の校舎で、やはり4階の廊下を歩いているが、悪魔に追われているので、生徒たちはみな走って逃げている。前にも後ろにも生徒がたくさんいて、おしくらまんじゅうのようになり、もはや前に進めない。
悪魔の魔法で、後ろの方の生徒から溶かされていっている、ナメクジみたいにーー。
わたしは校舎の窓から飛び出し、丸樋につかまって地上に降りる。
校門の前にタクシーが停まっている。
タクシーに乗る。
タバコを吸っている運転士の男性に、とりあえず世田谷区まで行ってください、と伝える。
動き出した車の中で、後部座席の隣を見ると、魔法によって姿を変えられたゴールデンリトリバーの老犬と、3枚の黒い形代が座っている。
手ぶらだけど、タクシー代をどうやって支払えばいいのか?
犬と形代をどうやって人に戻せばいいのか?

と、唇を噛んだところで目覚めた。

悪夢ばかりみるから、眠るのが、怖いーー。







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