柳美里の今日のできごと

福島県南相馬市小高区で、
「フルハウス」「Rain Theatre」を営む
小説家・柳美里の動揺する確信の日々

たちきり

2010年03月16日 11時18分37秒 | 日記
27日に立川談春の落語を聴きに行きます。
演目は「たちきり」。
はじめて聴いた談春落語が「たちきり」だったので、3年経って、どう変化しているのか楽しみにしています。

芸妓・小糸のもとに通い詰める若旦那の行く末を案じて、親族が話し合いを持ち、蔵に百日閉じ込める、ということになる。
若旦那は蔵に放り込まれ鍵をかけられる。
翌日から、小糸からの手紙が届けられる。
毎日、毎日……
しかし、八十日目に手紙は途絶える。
百日経って……
番頭が蔵に入って、若旦那に伝える。
手紙が百日つづいたら、親旦さんがなんと言おうと、縁を取り持ってもいいと思っていたのだが、「色町の恋は八十日」で終わった、と……
蔵から出されて身なりを整えた若旦那は、走って丁稚をまいてしまうと、一目散に小糸の店に駆け付ける。小糸に逢いたい、という若旦那に、位牌が突き付けられる。
食べない寝ないで手紙ばかり書き、日に日に弱っていく小糸のもとに、蔵に入る前に若旦那があつらえてくれた(若旦那の家紋と小糸の家紋が比翼になった紋様が胴についた)三味線が届けられる。
小糸は三味線を抱いて、ひとばち弾くと、息絶えてしまったという。
若旦那が線香を供えると、仏壇の三味線が鳴りはじめる。
ぷつりと、音がやむ。
「お仏壇の線香が、ちょうどたちきりました」

時計のなかった時代の色街では、線香1本でいくら、という風に花代が決められていたそうです。
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