柳美里の今日のできごと

福島県南相馬市小高区で、
「フルハウス」「Rain Theatre」を営む
小説家・柳美里の動揺する確信の日々

いつの間にか……

2015年07月29日 15時08分02秒 | 日記
最近、息子といっしょに自転車で出掛けると、すぐに息子の背中が遠くなってしまう。
息子が成長したのか、わたしが老いたのか――、たぶん、両方なんだろう。

そして、いつか、息子は生の側に残り、わたしは死へと旅立つ――。

昨日、猫たちがめっきり老け込んだ、という話をしていたら、息子がぽつりと言った。

「ひとりになったら、ぼくはまた、猫を飼うよ」

息子が、猫たちが死に、母親が死んだ後の暮らしを想像していることに驚き、わたしはしばらくの間黙って猫の背を撫でていた。
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