最終電車で終点原ノ町駅で降り、待機してもらっていた雪歩さんの車に乗り、小高の自宅に帰り着いたのは、零時半だった。
玄関の扉を開けようとすると、どこからともなくカマキリが飛んできて、わたしの指に止まった。
東さん?と思った。
「東さん」と呼んだことはなく、いつも「あんた」と呼んでたけどーー。
わたしが「あんた」と呼んだのは、東由多加と、息子だけ。
息子のことは近くにいる時は「あんた」、遠くにいる時は「タケ!」と呼ぶ。
玄関の扉を開けようとすると、どこからともなくカマキリが飛んできて、わたしの指に止まった。
東さん?と思った。
「東さん」と呼んだことはなく、いつも「あんた」と呼んでたけどーー。
わたしが「あんた」と呼んだのは、東由多加と、息子だけ。
息子のことは近くにいる時は「あんた」、遠くにいる時は「タケ!」と呼ぶ。