柳美里の今日のできごと

福島県南相馬市小高区で、
「フルハウス」「Rain Theatre」を営む
小説家・柳美里の動揺する確信の日々

術前、術後

2021年10月09日 11時38分00秒 | 日記
手術によって両足の親指が真っ直ぐになった。

でも、「リハビリをがんばらなければ、真っ直ぐになった動かない親指になっちゃうんで」と執刀医に釘をさされたので、手術の痛みが落ち着いたら、固まる前に、痛くても親指を上下に動かさないといけない。

上に45度、下に90度、って痛いだろうなぁ……






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痛みの中でみた夢

2021年10月09日 10時56分00秒 | 日記
最初に消灯したのは、22時ぐらいだったと思う。
左足の傷口がどうにも痛くて眠れないので、痛い時にのむようにと渡されているロキソプロフェン Na錠60mgを、23時にのんだ。
(毎食後、痛み止めのカロナール錠500を、胃薬のレバミピド錠100mgと共に服用し、抗生剤も1日2回点滴してもらっています)
しかし、痛みはおさまらない。
左親指に火をつけられて燃やされてるみたいな痛みで、思わず処方箋袋を手にするが、ロキソプロフェンは間隔を6時間あけなければいけないと注意されている。
(わたしはたびたび出血性胃炎と十二指腸潰瘍で喀血して入院し、喘息の持病もある)
痛みを堪えながら、Twitterのタイムラインを見たり、本を読んだりしていて、午前2時半に目薬をさして、「蒸気でアイマスク 完熟ゆずの香り」を目にあてて、眠ることを試みる。

紺のブレザーに紺のタイトスカート姿の女性事務員が、わたしが寝ているベッドをまたいで部屋から出て行ったり、足元に土偶の目と口だけみたいな顔が寄り集まっていたり、夢とも幻覚ともつかないものに悩まされた後、わたしはどこか別の部屋に寝ていた。
階下で東が帰ってきた音がした。
体は動かせない。
指一本動かせない。
劇団員が酔っ払った東を担いで階段をのぼってくる音がして、「危ない! やめて!」と叫ぼうとしても、声が喉につかえて出てこない。

わぁぁぁぁぁ!という東の叫び声と、階段を落ちる音がした瞬間、金縛りが解ける。
扉を押し開けると、真っ直ぐにつづくコンクリートの非常階段があり、東の衣服と毛布みたいな布だけが散らばっている。
東が死んだ。
死んで、いなくなった。
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
という自分の絶叫で目覚めた。

目を開けると、病室だった。
仰向けのまま読書灯に手を伸ばし、泣いている自分の顔を照らす明かりの中で、東は死んだんだ、東の死からもう21年経ってるんだ、と自分を納得させた。

時計を見ると、午前3時半。

4時間半あいたので、ロキソプロフェンをのんだ。


(写真は、昨夕看護師さんに消毒の仕方を教えてもらった時に、術後初めて見た傷口です)










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