柳美里の今日のできごと

福島県南相馬市小高区で、
「フルハウス」「Rain Theatre」を営む
小説家・柳美里の動揺する確信の日々

携帯電話を解約しました。

2013年09月03日 18時37分16秒 | 日記
この1週間、携帯電話は自分にとって必要なものだろうか?と問うていました。
日本では、いまや持っていないひとの方が少ないのではないかというほど普及している携帯電話ですが、わたしには必要なのか?

必要だとしたら、それは、なんのために?
生きるために?
書くために?

情報収集?

無尽蔵かつ無制限な情報は、むしろ、生きること、書くことを阻害します。

そして、わたしは、ブログやTwitterをやるために作家になったわけではありません。

45歳になりました。

わたしには、時間がないのです。

作品を、書きます。

小説を、ノンフィクションを、エッセイを書きます。
友人や知人や担当編集者に連絡をする時は、葉書や手紙を書きます。

さっき、自転車でDOCOMOショップに行って、携帯電話を解約してきました。

携帯電話は、住所録とカメラとして使います。

時々、携帯電話で撮影した写真を元にして、紙に文章を書き、ブログを更新することもあると思いますが、先ずは、原稿です。

自分の書くものに一番期待しているのは自分であり、その期待は、「必要」よりも先に立つ(携帯電話は必要ではない、という結論に達しましたが)大切なものなのです。

もう、携帯電話で通信することはないと思います。

あぁ……「圏外」という二文字が、こんなに心地好いとは……

思い起こせば、10代20代の頃のわたしは、全ての人間関係を絶って、通信手段のない山奥の湯治場や離島で作品を書き、書き上げるまでは誰とも会わなかった(電話もしなかった)のです。
携帯電話よ、さらば!

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