日本に足りないのは、軍事力でなく外交力 ~ 尖閣諸島・竹島・千島列島など、日本の大事な領土をめぐる問題は、そのことを示しているように思います。
例えば、尖閣問題です。混乱が広がる大きな原因のひとつは、自民党ふくむ歴代政権の“外交不在”にあります。
尖閣諸島は、日本が1895年1月、平和的に取得を宣言して以降、中国側は1970年まで75年間も異議を唱えてきませんでした。中国側は「日清戦争で奪った」と言いますが、奪ったのは台湾・澎湖列島で、尖閣諸島は含まれていません。これらの点をきちんと当事国・国際社会に訴えれば、必ず解決への道が開かれると思います。
しかし、歴代政府は、72年の国交正常化のときに尖閣問題を棚上げすることで合意し、その後、一度も日本の領有の正当性を理を尽くして中国側に訴えてきませんでした。「領土問題は存在しない」と、相手から何を言われても反論もしない自縄自縛状態です。
その一方、国防軍だ海洋防衛だと軍事的対応を言い続けるわけですから…。これでは、緊張を高め問題解決を遠のかせるだけです。領土問題での紛争が存在すると認めた上で、当事国や国際社会に領有の正当性をアピールする戦略的な外交攻勢への転換が必要です。
先日の公開討論では、民主党の現職の方は、その外交上の弱点を認めたものの、「領土問題は存在しない」という態度を改める点はあいまいなまま、日米同盟・軍事力強化に言及。自民党の新人の方に至っては、突然、私のカバンを取り上げ「いきなり奪われたらどう思います?」というパフォーマンスまでして、対話そのものを拒否、軍事対応のみ突出させました。
はっきりいって、領土問題解決は、党派・イデオロギーの違いを超えて考えるべき問題です。すでに、日本国内でも各分野で深刻な経済的影響が出ています。日ごろ、税制や原発など見解が異なる日本経団連会長も、外交戦略へ転換すべきといいました。
残念ながら、領土問題で建設的提案をもって外交努力を重ねているのは、日本共産党しかありません。外交不在から、積極外交へ転換を ~ 今回も、大いに訴える必要があるテーマだと思っています。