新幹線通勤ナ日々

那須塩原-東京間で新幹線通勤をする中で見た人の行動、新幹線通勤学や、田舎暮らしなど、筆者の独断と偏見により勝手に解析。

漆塗りに挑戦

2005-07-05 11:13:39 | 田舎暮らし関連
今建てている最中の我が家の一室の床を、漆塗りにしようと考えております。

関東地方ではほとんどそのような家は無いらしく、私の依頼している建築屋さんでも、総漆塗りのフローリングは初めてとのことです。漆というのは、乾燥する過程に「温度」と「湿度」が必要で、一番良い時期が梅雨時だそうです。ですから、タイミングが悪ければ、この総漆フローリングは実現できなかったと思います。(乾かす、というより、漆に温度と湿度を与えることにより、「硬化」させるというのが、正確な言い方ですね。)

総漆塗り、というのは非常におおげさに聞こえますが、6畳の部屋の床を漆塗りにするには、人件費と材料費を足しておよそ10万円、とは石川県にある漆の専門家のお話です。

全てを挑戦したかったのですが、建築屋さんの社長がほとんどの部分を終わらせてくれていて、私は、ほんのちょっと、手直しをしたり、何枚かの板の上塗りを行っただけですが、貴重な体験でした。

床板は畳の部屋を除いて全て八溝杉の無垢材で、厚さは30mm以上あったと思います。で、杉板と漆の相性はあまりよくないらしく、柔らかい杉の木肌に漆が馴染んでしまい、すぐに吸い込まれてしまうそうです。通常漆を塗る木は、堅い木なのは、そういった理由からでしょう。社長さんは、2度下塗りを済ませておいてくれました。6畳の部屋に2mx15cmほどの材料が3、40枚必要です。それを、下塗りx2、上塗りの、計3回塗りなおすのは、非常に手間のかかる仕事だと思います。社長さん、ありがとうございました!

で、実際の作業ですが、漆を塗る際は、ペンキのように、刷毛(ハケ)を使うのではなく、ヘラを使って、のばしていく感じで作業を進めます。ほんのすこしの漆でも結構広い範囲に塗れるのには、驚きです。そして、材料に一通り漆を伸ばした後、今度は、からぶきです。先ほどのばした漆がまだ乾かないうちに、ぞうきんで丁寧にふき取り、これを乾燥させるので、拭きをきちんとやれば、それ以前の作業はたいした影響はありません。漆塗りの上手・下手は、この拭きのところで、いかに無駄が出ないか、つまり、いかに薄く塗ることができたか、で決まります。ですから、初心者の私でも、それなりに結果は出せました。しかし、最初の一枚目なんかは、塗り終わって雑巾がけをしていると、あきらかに漆が乾きかけているのがわかり、冷や汗物でした。

できあがった漆塗りの板、見る角度や、光の具合によって艶やかな彩りを見せてくれるので、早く家の床に張られないか、いまから楽しみです。(着工は来週、11日の週、みたいです。)この漆、紫外線が天敵で、紫外線に当たると細かく剥がれてくるそうです。ですから、数年に一度、塗りなおさないといけませんね。。。

ところで漆といえば、かぶれを気にしますよね。漆はほとんどの人がアレルギー反応を起こすといわれており、私もゴム手袋と長袖シャツという完全防備で作業をしました。おかげさまで皮膚炎になることはありませんでしたが、他の作用として、発汗作用があるみたいです。漆塗りの作業中、やたらと汗をかくんです。また、気管がちょっとイガイガしたのも、ひょっとして漆によるものかもしれません。カミさんの場合、その場にいるだけで皮膚がかゆくなったと言っておりました。「そんなの気のせい」という人と「たしかに、そうなる」と言う人がいますが、真相はわかりません。

以上漆の話、でした。
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