シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

販売不振でなりふり構わぬ百貨店業界

2012年06月05日 10時08分33秒 | Weblog
韓国大手紙・ 朝鮮日報12年6月4日記事抜粋
ソウル市江南区狎鴎亭洞の現代百貨店には6月3日午前、開店時間前から数百人が売り場ではなく屋上に集まった。白血病の子どもを支援するための「グリーンマーケット」に百貨店の社員や顧客が寄付した中古品、文化センター会員の創作物などを格安で手に入れるために集まった人たちだ。収益金を白血病の子どもたちの支援に充てる「公益性」が高いイベントだが、内容は百貨店には似合わない「中古品売り場」だった。だが、顧客の関心はまさに「安い商品」にあった。
 主婦のキム・ジヨンさん(36)は「百貨店の屋上でお得なセールがあると聞いて、家計簿にメモしておいた。最近は値引きイベントが多いため、百貨店によく来るようになった」と話した。
 百貨店業界は今、「在庫処分」に近い安売りに熱心だ。「出店全ブランド参加」「史上最大の商品放出」といったキャッチフレーズは品位などお構いなしだ。「ワンピース100代ブランド大展示会」が開催された5月25日、ソウル市中区小公洞のロッテ百貨店9階特別売り場には、数百人の買い物客が午前10時半の開店と同時に押し寄せた。2万-4万ウォン(約1300-2600円)の割引商品が全体の40%を超え、全部売り切ったとしても数十億ウォン(1億ウォン=約660万円)にすぎないが、最近の業績不振を受け、出店ブランドの在庫が増える状況のため、割引イベントを開催せざるを得なくなった。ロッテ百貨店は、年間でサングラスが一番よく売れる6月に過去最大規模のサングラス割引セールを実施中だ。現代百貨店も6月4日から10日まで7店舗で女性衣料セールを行い、25ブランド、計10万着をおよそ半額の値段で販売する。総額100億ウォン(約6億6000万円)を超える商品を半額で売り尽くす戦略だ。新世界百貨店も6月14日まで「冬物衣料ビッグチャンス大展示会」を開催しており、繰越商品を処分している。ブランドを問わず、冬物衣料を最大80%値引きし、パディングジャケットは5万-10万ウォン(約3300-6600円)で販売されている。ある百貨店の幹部は「百貨店は過去最高の冬物在庫を抱えている上、最近の異常高温で春物も全く売れない状況だ」と漏らした。
 百貨店がなりふり構わず売り上げ確保に動いているのは、業績不振が理由だ。大手百貨店3社(ロッテ・現代・新世界)の4月の売上高は前年同月比で3.4%減少した。1年前は15%の販売増を記録していた。さらに深刻なのは、1人当たりの購入点数、購入単価がいずれも低下していることだ。1人当たりの購入単価は半年前は9万ウォン(約5900円)を超えていたが、4月には7万7000ウォン(約5100円)に低下し、年初来最低となった。4月は通常、春の新製品販売が活気を帯び、購入単価が増える時期に当たる。昨年4月には購入単価が10%伸びた。しかし、今年4月は逆に2%下落した。景気に敏感な衣類は8-9%、雑貨は5%落ち込み、長期的な不況で家庭用品も7.5%下落した。
 特に2009年以降、毎年2桁台の伸びを続け、百貨店のドル箱だったブランド販売の伸び率も昨年の40%から今年は1桁台に落ち込んでいる。4月は前年同月比で6%減少した。
 百貨店のマーケティング担当者は「販売不振を取り戻すため、百貨店はメンツを捨て、露店販売並みのセールや半額イベントを開催している。それでも売り上げは数十億ウォンにすぎない」と話した。
 例えば、ロッテ百貨店が今年4月に企画した「半額テレビ」は、発売と同時に1万台の完売が予想されたが、売れ残りが出た。また、ロッテ百貨店本店では同月、屋外でフランス車プジョーの展示販売を行ったが、1台も売れなかった。
 延世大の呉世祚(オ・セジョ)教授は「全ての流通業者が価格だけで勝負するのは好ましくない。百貨店は値引き以外に新たな突破口を見つけるべきだ」と指摘した。


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