シニア花井の韓国余話

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韓国人の早期留学が大幅減

2010年12月24日 16時44分22秒 | Weblog
(韓国大手新聞、朝鮮日報 10.11.7記事抜粋)
 2000年代以降、順調に増加傾向が見られていた早期留学生(小中高校生)が昨年大幅に減少し、早期留学にブレーキがかかったのではないか、という分析も出ている。
 国会教育科学技術委員の徐相箕議員が10月24日に公開した韓国教育開発院の資料によると、昨年(09年)早期留学した全国の小中高校生は1万8119人で、2008年(2万7349人)に比べ33.7%(9230人)減少したことが分かった。中学生の減少幅が最も大きく36%(8888人→5723人)、小学生は33%(1万2531人→8370人)減少した。
 年間の早期留学生の数が2万人以下に減少したのは、04年以来6年ぶりだ。
■留学業界はすでに「不景気」を実感
 1999年に政府が「早期留学の全面自由化」措置を発表して以来、早期留学の経験がある児童・生徒は、現在までで15万人に達する。早期留学賛成論者は、児童・生徒が早いうちから外国語や国際感覚を身に付け、他国の文化を体験できるという点を長所として挙げている。一方で、早期留学は「雁(がん)家族(渡り鳥のようにさすらうことから付けられた言葉)」のように、家族の別居や外貨の浪費など、社会問題を誘発すると非難されることもある。
 長所と短所を併せ持つ早期留学が減少傾向にある中、留学業界ではその余波を既に肌で感じている。ソウル市江南区大峙洞で10年以上、留学予備校を経営しているP氏は、「ここ2、3年間で生徒数が20-30%は減ったと思う。海外の大学や大学院への進学を希望する生徒の数は以前と変わらないが、韓国国内の大学への進学が難しいために『逃避留学』を夢見る高校生や、1、2年ほど語学研修に行くという小中学生が減少した」と話した。
 大峙洞の留学予備校のK校長は、「留学業界の関係者たちは数年前から、顔を合わせれば口癖のように『大変だ』と言っていたが、今は皆『死にそうだ』と話す。不景気のせいで、留学希望者が減っているようだ」と語った。
■「早期留学、思ったほど効果なし」
 早期留学の減少傾向は、08年の世界的な金融危機による景気低迷が直接の原因だと分析されている。さらに「早期留学に送り出しても、期待したほど効果がなかった」という経験談をはじめとする批判論も、留学生の数を減少させる原因となっている、と専門家らは指摘している。
 ソウル・江南地区に住む、小学6年生の娘を持つキムさん(38)は昨年1年間、子どもをカナダのサウス・デルタの小学校に、一人で留学させた。キムさんは、子どもを現地の家庭にホームスティさせたが、電話でのやりとりや、インターネットを使ったテレビ電話も、まともにできなかったと話した。
 子どもが留学した田舎の村は、インターネット環境が整備されておらず、留学予備校からは「子どもがホームシックになるし、韓国語を頻繁に使うと英語が上達しないから、連絡しないように」と言われたためだ。子どもの様子は、現地の留学予備校スタッフが毎週、同校のインターネット掲示板に掲載する「生活報告書」で知るしかなかった。 キムさんは、「まだ幼い子供が外国で暮らしながら、とても寂しい思いをしたようだ。下手な英語で友達の輪に入ろうとしたり、授業についていこうとして、かなりストレスを感じたようだ。最近は韓国にも優れた英語塾が多いから、下の子は無理して外国に送り出さないつもりだ」と話した。
 同じ時期、米国ミネソタ州の知人宅に小学校5年生の息子を留学させたパクさん(39)は、「保護者がいないことで、子どもたちが道を外すケースもたくさん目にした。現地のホストファミリーが子どもの食事に気を使ってくれず、子どもたちがハンバーガーばかり食べ、体調を崩したケースもあるらしい」と話した。
■早期留学の歴史
1990年代半ばにブーム、2000年代半ばに「全盛期」
 早期留学ブームが始まったのは1990年代半ばからだ。早期留学第1世代(1994年-2000年)といわれる世代は、「世界化ブーム」と共に登場した。93年に政権を握った金泳三元大統領が、世界化を国政課題として打ち立てたところ、海外経験のある人材の需要が急増した。ハーバード大学を首席で卒業した洪政旭議員が23歳のときに書いた自叙伝『7幕7場』がベストセラーになったことも、早期留学の夢をあおった。
 97年にアジア通貨危機に直面し、低迷していた早期留学が再びブームとなったのは、2000年に政府が「小中高校生の早期留学の全面自由化措置」を発表し、それまで芸術や体育分野で優れた生徒など、特殊なケースだけに認められていた早期留学の資格が、分野を問わずに与えられてからだ。
 早期留学者の数は、05年に初めて2万人を超え、06年には前年比約50%増加し3万人に迫るなど、「早期留学全盛期」を迎えた。
 これらの早期留学者のうち、相当数は法的に認められていないケースだ。教育科学技術部の「国外留学に関する規定」によると、業務や留学などで海外に駐在する保護者に同行するケース以外は、小中学生の留学はすべて違法の「未認定留学」に該当する。未認定留学者は、該当する学年の出席日数の3分の1以上を欠席すると、次の学年への進級が認められないという規定になっている。
 しかし、未認定留学をしても制裁がない上、学校では学期中に留学した子どもたちが、学年末に帰国した場合、簡単な学力テストを実施しただけで次の学年に進級できるようにしており、事実上、無制限で早期留学が行われている。

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