シニア花井の韓国余話

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営業停止貯蓄銀行の会長、顧客の金を持って中国密航を図る=韓国

2012年05月10日 15時52分20秒 | Weblog
韓国大手紙・中央日報12年5月7日記事抜粋
5月 3日午後8時30分、京畿道華城市西新面(キョンギド・ファソンシ・ソシンミョン)の小さな漁港、宮坪(グンピョン)港。分厚いジャンパーに運動靴をはいた中年の男5人が船着き場の周りでそわそわしていた。夜釣りを行く人のようにも見えるが、手には釣り道具ではなく旅行用バッグを持っていた。 しばらくして小型漁船1隻が停泊すると、5人は周囲を見ながら船に乗り込んだ。この時、付近に隠れていた海洋警察隊員10余人が一斉に出てきて5人を逮捕した。5人は、ソロモン・ハングク・ハンジュ貯蓄銀行とともに6日に営業停止となった未来貯蓄銀行のキム・チャンギョン会長(56)と密航を支援する男たちだった。 検察が経営不振の責任を問うために出した出国禁止措置を避けて中国に密航しようとしていたのだ。ジャンパーと運動靴、帽子を深くかぶったキム会長のバッグには5万ウォン札で現金1200万ウォン(約90万円)と旅券が入っていた。海洋警察によると、キム会長は昨年12月から中国密航を準備してきた。宮坪港から漁船を利用して公海上に行った後、貨物船に移って中国に入る計画だった。漁船の確保および密航時期などについて話し合う席も何度か準備した。キム会長は密航のためブローカーに数千万ウォンを渡していたという。海洋警察はキム会長らが謀議を始める頃、機密情報を入手し、ブローカー2人を追跡してきた。この時までキム会長の密航は捜査を避けるための逃避と考えられてきた。しかし3日、ソウル江南(カンナム)のウリィ銀行支店で、キム会長が現金と小切手を合わせて203億ウォンを引き出したことが新たに確認された。キム会長個人の通帳ではなく、貯蓄銀行法人の通帳からだ。金融当局の関係者は「会社と顧客のために最後まで最善を尽くすどころか、顧客の金を持って密航を図るのが一部の貯蓄銀行のオーナーのレベル」と述べた。預金引き出しの過程も緻密だった。ウリィ銀行支店側は2日午後、未来貯蓄銀行の資金担当者から「あす随時入出金式企業預金(MMDA)通帳から200億ウォンを引き出すので準備してほしい」という通知を受けた。実際の引き出し要請は翌日3日午前に行われた。「運営資金と有償増資代金」として現金135億ウォンと小切手68億ウォンを要求した。ウリィ銀行関係者は「全額を現金で要求すれば疑われると判断して小切手を混ぜて引き出したようだ」と述べた。現金が足りなかった銀行支店は翌日、本店資金部から現金の支援を受け、この金額を準備した。金融当局によると、キム会長は自分の運転手と一緒にこのお金を自分の乗用車に載せてすぐに銀行を離れた。数時間後にキム会長が現れたのが宮評港だ。
最高検中央捜査部傘下の貯蓄銀行不正合同捜査団は5日、海洋警察からキム会長の身柄引き渡しを受け、本格捜査に着手した。キム会長は小切手68億ウォンをすでに複数の人の名義でいくつかの金融機関に分けて入金したと伝えられた。現金135億ウォンの行方については口を閉ざしている。金融監督院の関係者は「第3者の名義で隠したり海外に送金した可能性がある」と述べた。
キム会長の過去については業界でもあまり知られていない。メディアや公式行事にほとんど姿を現さなかったからだ。1980年代から事業をして集めた資金で、90年代末に済州(チェジュ)地域の相互信用金庫を引き受け、業界7位の貯蓄銀行に育てた。未来貯蓄銀行の総資産は昨年末1兆7594億ウォンだが、一時は系列会社を保有し、2兆ウォンを超えていた。この貯蓄銀行はカメルーンダイヤモンド事件で知られるCNKインターナショナルの2大株主。キム会長が‘隠遁’してきたのは、偽ソウル大法学部生として振る舞い、83年にこれがばれたためと考えられている。当時、ミーティングや学会など各種の学内活動に顔を出し、学部代表も務めた。学部長の司式で結婚式を挙げたが、卒業アルバム制作の過程でソウル大生でないことが明らかになった。にもかかわらず、その後もソウル大生と偽って家庭教師を行ったという。キム会長の息子は昨年6月、ベンツを飲酒運転し、乗用車7台にぶつかる事故を起こしている。


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