6月8日から、COEX(ソウル市江南区)で科学ジャーナリスト世界会議(WCSJ)が開かれている。全世界から科学、医学、環境分野の専門記者が集まるイベントで、2年に1度開催されており、アジアで大会が開かれるのは、世界科学ジャーナリスト連盟(WFSJ)の創立以来初めて。参加登録者は計1100人、このうち約450人は海外43カ国からやって来た海外の記者だ。大会が開かれる前、主催国・韓国の記者団は「こともあろうにこんな時にMERS(マーズ。中東呼吸器症候群)問題が起こるなんて」とため息をついた。世界の医学記者が韓国のMERS問題取材に熱中したらどうしよう、という心配の声も聞かれた。おそるおそる、海外の記者に「MERSが心配ではないのか」と尋ねたところ、海外の記者らは「韓国で最近MERSの感染者が非常に増えていることはよく知っている。いずれも院内感染なのに、何を心配するのか」と逆に問い返された。「衛生の国」日本からも約40人の科学・医学記者がやって来た。
今大会で「アジアの(感染症)ウイルスハンター」というセッションの司会を担当した『サイエンス』誌の専門記者は、フェイスブックに「妻と一緒にソウルに来て地下鉄に乗り、ソウルの文化を楽しんでいる。なぜ韓国人が街中でもMERSの感染を過剰に心配しているのか分からない。地域社会の感染もないのに、各学校が続々と休校するのが理解できない」という内容の書き込みを行った。科学記者だからなのか、彼らは地域社会における伝染病の流行と院内感染とを十分区別していた。幼い娘を会場に連れてきた記者もいた。
このところ、MERSの余波を受け、韓国国内で開かれる国際大会を取り消そうという動きがかなりある。世界に恥をさらさないよう、早く大会を取り消せと焦りをあらわにする人が多いという。今回の世界科学記者大会で、事前登録までしていながらMERSを理由に取り消したというケースは、5件ほどしかなかった。主に台湾や香港など、韓国に旅行した後、帰国時に徹底した防疫検査を受けなければならない国の記者だった。記者が尋ねてみた海外の参加者らは、皆「韓国でMERSが広がっていることを理由に国際大会を取り消すのはナンセンス」と口をそろえた。
金哲中(キム・チョルジュン)医学専門記者
韓国大手新聞 朝鮮日報15年6月9日記事抜粋
今大会で「アジアの(感染症)ウイルスハンター」というセッションの司会を担当した『サイエンス』誌の専門記者は、フェイスブックに「妻と一緒にソウルに来て地下鉄に乗り、ソウルの文化を楽しんでいる。なぜ韓国人が街中でもMERSの感染を過剰に心配しているのか分からない。地域社会の感染もないのに、各学校が続々と休校するのが理解できない」という内容の書き込みを行った。科学記者だからなのか、彼らは地域社会における伝染病の流行と院内感染とを十分区別していた。幼い娘を会場に連れてきた記者もいた。
このところ、MERSの余波を受け、韓国国内で開かれる国際大会を取り消そうという動きがかなりある。世界に恥をさらさないよう、早く大会を取り消せと焦りをあらわにする人が多いという。今回の世界科学記者大会で、事前登録までしていながらMERSを理由に取り消したというケースは、5件ほどしかなかった。主に台湾や香港など、韓国に旅行した後、帰国時に徹底した防疫検査を受けなければならない国の記者だった。記者が尋ねてみた海外の参加者らは、皆「韓国でMERSが広がっていることを理由に国際大会を取り消すのはナンセンス」と口をそろえた。
金哲中(キム・チョルジュン)医学専門記者
韓国大手新聞 朝鮮日報15年6月9日記事抜粋