シニア花井の韓国余話

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大統領府と財界の懇談会方式、創造的にできないか【社説】   

2015年07月31日 22時11分51秒 | Weblog
朴槿恵(パク・クネ)大統領と大企業オーナー17人が並んで立っている写真が週末の朝、ほぼすべての韓国の朝刊紙の1面に掲載された。全国の創造経済革新センター造成事業が終わると朴大統領が7月24日にこれを支援する大企業オーナーを大統領府に招いて懇談会をしながら撮った記念写真だ。サムスンや現代自動車など主要大企業のオーナーを一度に大統領府に招いたのは朴槿恵政権になって初めての上、光復節の特別赦免で企業関係者が含まれるかどうかに関心が集中していることもあり注目される席だった。
  朴大統領はこの日、「革新センターが創業生態系の中心であり、地域革新の拠点、大企業と中小企業の共生発展の接点として、消えることのない革新の原子炉にならなければならない」と強調した。そして財界オーナーに「今後、地域別、産業分野別に本格的な成果を出してほしい。有望な青年たちに雇用が多く提供されるよう新規採用にも積極的に取り組むことを望む」と話した。懇談会は当初予定時間を大きく上回り、創造経済の成功に向けた決意発表を最後に、3時間10分を超えてようやく終わった。
大統領が財界オーナーを一堂に集め何かを求めるというのは1970年代から何度も見てきた光景だ。朴正熙(パク・チョンヒ)大統領時代の輸出振興拡大会議は輸出ドライブ政策により企業を督励し管理するのに力を発揮した。民主化以降の金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)、李明博(イ・ミョンバク)政権と続く間も大企業のビッグディール、規制改革、雇用創出のような国政課題を推進するために大統領が懇談会形式で財界オーナーを呼び集めたりした。この席での大統領の「お言葉」はメディアでは「求め」や「要請」として表現されたが、実際には指示と変わらなかった。その時ごとに大企業オーナーは政府政策に積極的に協力するという返事を斉唱したりした。
大統領の政策意志が中間段階なくそのまま大企業オーナーに伝えられるという点、そして政治権力と経済権力が直接コミュニケーションをするという点ではそれなりに効率的な席といえる。だが、国民の目には1日が24時間でも足りないほど忙しい大企業オーナーを同じ日の同じ時間に集合させた大統領の強力な権力を印象づけた場面でもある。大統領が直接創造経済の重要性を長時間説明し企業をいちいち名指しながら問答する、集団教育講義室のような雰囲気は自由で創意的な討論とは距離がある。
国民は創造経済を主唱する朴大統領に以前の大統領とは違った創意的なスタイルを期待する。世界がデジタル光速経済に変わっている時代に経営の第一線で忙しく走らなければならない財界リーダーを1カ所に集め長時間懇談をするのはいまでは古い方式だ。大統領が主要企業家を呼び集めるのは自由市場経済体制では見るのは難しい風景だ。米国でオバマ大統領がビル・ゲイツ氏やマーク・ザッカーバーグ氏のような企業家をホワイトハウスに集めて懇談会をしたことがあるだろうか。大統領の「オーナー集合」が自然に見えるので規制官庁の長官は社長を、局長・課長は役員を集合させるのではないのか。これが市場経済、創造経済の真の姿なのか。
経済活力は最高権力側の一方通行的な意志決定から出るのではない。投資環境改善、規制廃止を通じ民間の創造力と野性的な企業家本能を助けなければならない。大企業オーナーが大統領を中心に両側に並んでいる場面がこれ以上新聞に載らなくなる時がまさに創造経済が始まる日だ。(中央SUNDAY第437号)
韓国大手新聞 中央日報15年7月26日記事抜粋


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