シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

今の韓国は下り坂【コラム】              

2014年11月18日 01時18分46秒 | Weblog
韓国大手新聞  朝鮮日報14年11月16日記事抜粋
反対とイデオロギーで壁を作り、革命と独裁を公然と望む韓国人
調整・妥協をせず利己心にしがみつき、民主主義・資本主義の副作用ばかり発生
時代錯誤な争いに没頭している現実…韓国の将来は
 政治は支離滅裂で、経済は低迷し、社会の各層の利己心と不正が極みに向かう中、韓国の一部で過激な思考が頭をもたげ始めた。「独裁者が恋しい」「革命を起こすべき」「強力なリーダーシップが見たい」などといった復古的な郷愁がそれだ。果ては「破壊のリーダーシップ」という表現まで登場した。こんな状況を反映するかのように、国事犯または社会的犯罪に対する刑罰意識も強まり、殺人罪や国家反逆罪などが、安易にメディアに登場している。
 なぜこんな現象が生じているのか。一言で表現すれば、現在の韓国には「きちんとしたこと」がない。何か見解が示されると、とにかく「反対」が道をふさぎ、別の政策が登場すると、イデオロギー的な障壁が包囲する。ほとんど公式のようだ。何らかの考察や検討を経る前に、まず反対から取り掛かる。国家的な懸案に関する重大決定は、反対勢力に阻まれて一歩も先に進まない。ほとんどの政策はタイミングを逃し、まるで「夏物」をデザインしたのに秋になってようやく市場に出回るようなものだ。
 旅客船セウォル号沈没事故で1年近く時間を取られ、多くの経済施策が死蔵されたが、改憲、公務員年金改革、韓国軍への戦時作戦統制権移管時期の延期、無償給食・無償保育問題でも一波乱あることが予告されている。しかも、防衛産業をめぐる不正を筆頭に、社会の各階層をむしばんできた慢性的・構造的な不正・腐敗が、韓国社会を沈滞させているのだ。韓国は、明らかに下り坂を進んでいる。底がどこなのか、まだ分からない。
 だからなのか、21世紀という民主主義の大天地で、人々は革命を語り、独裁者を「恋しがり」、破壊のリーダーシップを取り上げている。そうやって民主主義のせいにし、議会主義を嘆いている。改憲が語られる背景も、つまりは現在の状況、現在のシステムに対する拒否反応の一つだ。慶尚南道の洪準杓知事による無償給食支援の中止が社会の注目を集めているのも、何が答えなのか分かっていながら保身に走り、尻込みする政界の無気力なポピュリズムに対するイエローカードだとみるべきだ。
 韓国社会は今、人類が考案した次善の制度である民主主義と、資本主義あるいは市場経済の弊害に苦しんでいる。民主主義と資本主義の否定的要因が累積する中、その副作用にさらされているのだ。民主主義とは、もともと費用の掛かる制度だ。自由がある代わりに責任があり、権利がある代わりに義務がある。多数を豊かにできるが、その代わり少数を貧しくもする。多数の同意を引き出すためには、時間という費用が避けられない。ところが今の韓国は、その制度の利点よりも欠点に、プラス面よりもマイナス面に、首根っこをつかまれている。自分たちに不利であれば、いかなる合理的調整も、妥協も、譲歩も一蹴してしまう、利己的な闘争に巻き込まれている。ここには、民主制度の利点である多様性、配慮、共同善の意識が存在する余地はない。
こうした葛藤・対立は、産業化と民主化を闘争的関係としか見ない認識に由来する。西欧は、産業化を成し遂げながら、民主化を上乗せした。それを「先産業革命、後市民革命」の関係に昇華させた。ところが韓国は、産業化と民主化を時代的な先・後の概念で見ることはせず、平面的・同時的状況として扱っている。そうした状況では、衝突は避けられない。韓国は、よそがとっくに終えてしまった産業化・民主化対立の端をつかむという、時代錯誤的なお遊びにとらわれている。
 世界は、韓国を「おかしな国」と見ている。これほど成長した国であれば、その成長痛を既に経験していそうなものなのに、まだそのトンネルから抜け出していないことに納得できずにいる。しかも、人口減少、高齢化、低成長や不況などが韓国の目前に迫っている。そんな状況にあって、他の国々は全て経験済みの「時代病」後遺症に苦しみ、全国民が「お前を殺して私も死のう」というようにどこかに向かって泣き叫んでいるのだとしたら、韓民族はあまりに後ろ向きなのではないか。
 若い世代は、方向を定められずにいる。われわれが若者のためにしてやれることは、食べ物を与えることではなく、方向を指し示してやることだ。若者に、世の中を見るきちんとした「目」を備えさせ、時代を凝視できる力を与えることだ。かつては、食べるものがなくとも、人々の目は明るく、強い意志に満ちていた。今の若い世代の目を見てほしい。若者の目は無気力で、濁っている。
 それなのに韓国人は今、何をしているのか。時代遅れの争いにばかり没頭している。利己心がはびこっている。左派は反対のための反対に注力し、保守・右派は強力なリーダーシップが出現して反対をえぐり出し、一刀両断式に片付けることをひそかに望んでいる。現在の支離滅裂さが続いたら、多数の国民の心がどこに傾くかで韓国の将来が決まるだろう。18世紀のフランスは市民革命で王政を倒したが、改革の過程で生じた混乱と無秩序のせいで、再びナポレオンの帝政時代へと回帰した。先進的民主化のシンボルといわれたドイツのワイマール憲法は、ヒトラーという独裁者を生んでしまった。
金大中(キム・デジュン)顧問





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