シニア花井の韓国余話

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【コラム】世界の中のアジアと韓国経済

2012年06月30日 09時56分31秒 | Weblog
韓国大手紙・ 中央日報12年6月28日記事
ギリシャは人口1100万人で、国内総生産(GDP)が世界全体GDPの0.4%にもならない小規模な経済国だ。 にもかかわらずギリシャ総選挙の結果によって世界主要株式市場が揺れる点は、今日、私たちがどれほど深く統合された地球村経済時代に暮らしているかを物語っている。
08年9月の米リーマン・ブラザーズ破綻まで、世界は世界経済の統合の深みを十分に把握していなかった。 08年初め、米国のベアースターンズ、英国のノーザン・ロック銀行の破綻で本格化し始めた金融危機を、多くの人々は米国と英国に限られたもう一つの大きな金融事故という程度に考えていた。
さらに英米式金融資本主義を前面に出しながら勢いづく米国と英国に不満に抱いていた一部の欧州人は、他人の不幸を見て高笑いするシャーデンフロイデ(schadenfreude)的なところがあったのも事実だ。
もちろん、こうした見方は長くは続かなかった。 リーマン・ブラザーズ破産からわずか1カ月後、当時の欧州連合(EU)議長国だったフランスのサルコジ大統領とバローゾ欧州委員長はワシントンのブッシュ大統領を訪れて国際協調を議論し、より緊密な国際協調のために主要20カ国・地域(G20)首脳会議を開いた点を見れば、よく分かることだ。
このように深い統合段階に入った地球村経済時代に、相対的に対外依存度が高いアジア経済の望ましい成長戦略は何だろうか。
中国を含むアジア経済の世界の比重は、西側の産業革命が本格化しながら、1820年の約60%をピークに徐々に減り、1950年ごろには20%を割った。 しかし1950年以降、またアジア経済は日本を筆頭に韓国、台湾、香港、シンガポール、1970年代以降は東南アジア諸国と中国・インド経済の急速な成長を経験した。 その結果、アジア経済の比率は着実に上昇し、現在、約30%レベルに達している。
こうしたアジアの再浮上は主に、米国・欧州など先進諸国に向けた輸出中心の対外指向的な成長戦略の成功によるものと考えられる。 竹のカーテンを開いて市場経済体制への編入を狙い、わずか30年余りで世界第1の経済大国に再浮上できる基礎を固めた中国がこれを示している。
アジア開発銀行は最近、アジア経済が今後も成長の勢いを維持し、2050年には世界経済の50%以上の比率を占めると予想した。 ただ、これまでの輸出中心の成長戦略を、内需・輸出の均衡に基づいた新しい成長戦略に転換するのに成功するという前提が必要だ。
過去30年間、中国とアジア諸国が推進した輸出主導的成長戦略の成功は、米国の民間消費(GDPの70%を超える)があったからこそ可能だったという点は、よく知られている事実だ。 しかし高い失業率と住宅バブルの崩壊、そして過消費まで助長してきた過去の金融環境の変化によって、米国の民間消費は過去4年以上、成長の勢いが大きく弱まっている。 こうした傾向は今後しばらく続くしかない。
また欧州が現在迎えている危機は、短期間で解決できることではない。 ユーロ圏は政治統合はもちろん、財政統合と銀行連合なしに実現された貨幣統合による根本的な問題を抱えているからだ。 さらに欧州は現在、こうした難しい問題を解決の方向へ導ける強力な政治指導力さえも期待できない状況にある。 したがって欧州は今後も引き続き、根本的な問題解決策を提示できない数多くの会議を経て、臨時方便的な処方にすがっていくはずだ。 このため欧州経済の沈滞は今後、相当期間続くと考えなければならない。
こうしたいくつかの点を考慮し、中国はすでに第12次5カ年発展計画(2011-2015)に国内消費促進による内需増進案を含めた。 これと関連し、韓国はまず中国の成長戦略の転換に基づく対応策を用意しなければならない。 中国内需市場の拠点を確保するための努力の強化と同時に、現在、中国を通じて米国・欧州に再輸出される対中国輸出の相当部分を、輸出地域の多角化で解決していく必要がある。 こうした努力は現在過度に高い中国経済依存度を低めるのに寄与するだろう。
また、雇用誘発効果が高い各種サービス分野、すなわち保健・医療・観光・物流・展示コンベンションなどの輸出産業化努力をさらに強化することが求められる。 このための果敢な規制改革とともに、少なくとも製造業に比べて不利でない制度的なインフラの構築が急がれる。
こうした政策的な努力と同時に、アジア国家は大きく向上した経済的地位にふさわしく、地球村経済全体の持続成長のために必要な公共財(global public goods)、例えば保護貿易主義の退治、世界金融・外国為替市場の安定、気候変化と地球環境の保存などのための国際協調で積極的な役割をしていかなければならない。
またアジア地域レベルでの経済協力と政策共同歩調体制を強化することも重要だ。 特に従来の多者化されたチェンマイイニシアチブ(CMIM)をアジア地域の通貨基金に発展させていく具体案を用意しなければならない。
                            司空壱(サゴン・イル)中央日報顧問/元財務部長官






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