シニア花井の韓国余話

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ゲーム中毒:母親が下した最後の選択                                

2012年05月09日 18時23分25秒 | Weblog
韓国大手紙・朝鮮日報12年5月6日記事抜粋
ゲームに心を奪われた子どもたちを救うため、最後の手段として、子どもを逃避型の海外留学に送る保護者もいる。ソウル市江南区の主婦ヤン・ハヨンさん(46・仮名)は、高校生の息子を、姉が住む米国に送った。もともと留学させる計画があったり、家計に余裕があって送り出したわけではなく、「ゲーム逃避留学」だった。ヤンさんは「未明までゲームをして、学校では寝てばかりいる夜型の子どもを心配する親は多いはずだ。子どもの友人の親とチームを組み、子どもがゲームに没頭するのを防ごうと努力したが無駄だった」と話した。光州市のイ・ジョンエさん(53・仮名)は、ゲームにどっぷりはまった息子(16)を仕方なく寄宿制の学校に送った。小学校低学年のときから、子ども用インターネットサイトでフラッシュゲームをしていた息子は、最近『サドン・アタック』のような射撃ゲームで午前2時まで遊ぶようになった。キャラクターが死んだり、負傷したりすると、大声を出して腹を立て、机をたたきながら興奮した。そんな息子の姿を見ながら、ゲーム禁止の寄宿制学校に送ることを決断した。外国の子どもたちもゲームで遊ぶ。しかし、ゲームにこれほど長時間、そして深くはまり込んでいるのは韓国の青少年だけだ。専門家は青少年自身の問題ではなく、青少年を取り巻く環境に原因があると分析している。いつ、どこでもゲームに接触できる韓国のインターネットインフラは世界でも最高水準だが、それを悪い方向に活用しないよう管理するシステムは不十分だ。
 関東大医学部明知病院のキム・ヒョンス教授は「ほとんど全ての家庭が超高速インターネットで結ばれており、平均で3歳のときからインターネットを始める。超核家族社会となり、面倒を見る人がいないため、子どもたちが自然にゲーム中毒になる」と指摘した。
 韓国コンテンツ振興院の関係者は「韓国でオンラインゲームはゲーム全体の67.1%を占めており、割合が他国の倍以上高い。オフラインゲームは本人の決心でゲームをやめることが容易だが、オンラインゲームは多くのゲーム仲間との関係を絶つことが難しく、ゲームをやめるのも困難だ」と話した。
子どもたちは一人でゲームをしているわけではない。オンラインゲーム、特に中高生に人気が高い『メイプルストーリー』のような多人数同時参加型オンライン・ロールプレイング・ゲーム(MMORPG)、『スタークラフト』のような戦略シミュレーションゲームは、多人数が同時にゲームを楽しむため、ゲーム内部ではバーチャル社会が形成され、序列も決まっている。子どもたちはゲームを通じて出会った友人と「ギルド」を形成し、共にモンスターを退治し、戦い、友人をスカウトしたりもする。レベルが高いユーザーは、レベルが低いユーザーと共に強いモンスターを捕まえ、経験値を上げるのを手伝う。良いアイテム(ゲーム上で使える道具)を分け合ったりもする。
 韓国コンピューター生活研究所のイ・ギジュン所長は「ゲームのキャラクターを通じ、生死や苦楽を共にし、固い関係が形成される。家ではそっけない子どもがゲーム仲間と交わす会話を親が見たら、裏切られた感じさえ覚えるかもしれない」と語った。
 韓国青少年相談院インターネット中毒タスクフォース(特別作業班)のペ・ジュミ・チーム長は「ゲームをすればするほど、オフラインでの人間関係が疎遠になり、コンピューターゲームまでやめれば、さらに孤立するのではないかという思いからやめられなくなる。親はそういう子どもたちの心理をしっかり理解して対処すべきだ」と訴えた。女性家族部(省)のキム・ソンビョク青少年媒体環境課長は「青少年のインターネットゲーム中毒に関係する機会費用損失は毎年2兆2000億ウォン(約1500億円)に達する。成人まで含めると最大10兆ウォン(約6900億円)と推定される」と述べ、そうした損失を減らすため、政府と家庭、学校だけでなく、ゲーム関連業界も含め、力を合わせて実効性を伴う対策を立てるべきだと呼び掛けた。


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