遊漁船業情報センター

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イージス艦<あたご>へ【勧告】を裁決

2009-01-23 08:41:01 | 遊漁船業者
 海上自衛隊のイージス艦<あたご>と漁船<清徳丸>の千葉県野島崎沖での衝突沈没海難事故で、横浜海難審判庁は昨日【勧告】の裁決を下しました。
事故の発生は、昨年2月19日午前4時ごろのこと、採決まで一年余りで5回の審理を経ての裁決でした。
 事故の原因と採決の内容については、今朝の新聞各紙で報道していますので、このブログでは異なった観点から検証してみたいと思います。
まず、<海難審判>とは陸上の交通事故の処分と同じように【行政処分】なのですが、陸上の処分は県の公安委員会が行い、免許停止等の処分を行います。
海難事故では海難審判庁が行いますが(昨年の9月末までの事故)、ここでは、海難審判庁法という法規が適用されます。
 この法規の第五条には【懲戒】というのがあり、
①免許の取り消し
②業務の停止
③戒告
の三つの懲戒を行うことになっています。この軽重は、海難事故の所為の軽重に従って処分されることになります。

 今回行われた【勧告】という処分は別に定めてあり後述しますが、読んで字の如く<勧め説くこと>ですから、『今後事故を起こさないように説き伏せ、その改善状況を観察(?)する。』ということになりますか?
次に、同法第62条には
<①審判長は、勧告する旨の裁決があったときは、勧告書を作成して、これを理事官に交付しなければならない。>
<②理事官は、前項の勧告書を裁決書の謄本とともに勧告を受くべき者の送付しなければならない。>
<③理事官は、国土交通省令の定めるところにより、勧告する旨の裁決の内容を公示しなければならない。>
と定め、弟3条には、
<勧告を受けた者は、その勧告を尊重し、努めてその趣旨に従い必要な措置を執らなければならない。>

 このような海難審判庁からの【裁決】がでたら、事務手続きとして<省令>に、
第75条で<理事官は、勧告書の全文又はその趣旨を官報及び高等海難審判庁長官の指定する新聞紙に掲載してこれを公示しなければならない。>
第76条で<理事官は、勧告書の写しを必要と認めるものに送付する。>
第77条で<①勧告を受けた指定海難関係人は、採決言い渡しの日から一ヶ月以内に理事官に弁明書を差し出すことができる。>
②理事官は、裁決確定の後、前項の指定海難関係人の請求があった時は、その弁明書を公示しなければならない。但し、その費用は、請求人の負担とする。>
③前項の公示については、第75条の規定を準用する。
第78条で<国土交通大臣は、理事官をして勧告を受けた者が如何なる措置を執ったかを調べさせることができる。>

 以上、前記したように一旦海難事故が発生すると多くの手間暇がかかり、多くの財産が散財することになります。
海難事故を未然に防ぐ物理的、心理的予防の作業を日頃から訓練しておきたいものです。




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