遊漁船業情報センター

遊漁船(沖釣り船・瀬渡船・海上タクシー)にかかわる様々な情報を適宜発信します。

<不法行為>とは、どのような行為でしょうか?

2010-04-13 10:52:38 | 遊漁船業者
 <行為>については、違法・不法・不当という範疇に入りますが、【不法】というのは一般的に違法と同様に扱われています。
時には、不法行為を公序良俗に反する違法ということもありますが、民法上の不法行為には特別の意味があります。
 つまり、違法ではないが不法という場合の概念は、原因において<故意>なのか<過失>なのかということであって、そのことが立証できれば不法行為による損害賠償請求(民法709条)が可能になるのです。

 ここで問題なのが【原因】なのです。

昨日もこのブログに書き込みましたが、遊漁船の船長(船舶操縦士)が釣り客に対し不法行為を行なった行為とはどのような態様なのでしょうか?

 考えられる行為(原因)のもっとも多いのは①居眠り操縦による事故の発生。②船長の操縦によって他物(他船・磯等)に衝突したとき。③船長が自然に対抗して無理な操縦をおこなったとき
等々があります。
その結果、釣り客に損傷を与えた場合は<不法行為の損害賠償責任>が発生するのです。

 しかしながら、遊漁船の船底は海なのです。海には周期的に襲来する動いている<波>があります。
すなわち、動いている波の上に遊漁船が載っているわけですから当然のこと遊漁船も揺れているのは当たり前の話です。(物理的に動揺を消去する作動もありますが、ここでは普遍的なものとして書き込んでいます。)
いわゆる先ほどの操縦者による不法行為の選別が難しいところですが、海上の状況を認知して双方(操縦者・釣り人)が注意する義務があります。
いわゆる、遊漁船の船首に座って海上風景を楽しんでいる方がいますが、それこそ、自身が損害事故を誘導して乗船しているようなもので、操縦者の不法行為には該当しないのはいうまでもありません。
 
 次に問題になるのは、釣り客の所有物が遊漁船の走行の際に飛ばされ、海上に落下する場合もありますが、釣り客の所有物の管理責任は釣り人の義務であって、それが風によって飛ばされたからといって操縦者に損害賠償を課するのは無理なことですし、操縦者の不法行為が発生しないこともあたりまえのことです。