久々の1人での出張帰り、先輩の「のんびり帰って来いよ」の一言に甘え、下道をノロノロと走っていたらふと10年近く会っていない田舎のおばあちゃんの顔が見たくなった。
実家から車で数時間の距離に住んでいるのだが、ここの所は自分が旅行や趣味にばかり時間を割き、家族と共に会いに出掛ける事もなくなっていた。
そのおばあちゃんは親戚の中で僕を一番可愛がってくれ、小さい頃には一時期、実家ではなくおばあちゃんの家に住みたいと泣いて親を困らせた事もあったw
最近は体調を崩して入退院を繰り返していたがようやく落ち着いて娘夫婦と共に暮らしていた。
高速を降りて記憶を辿りながら夜道を走り、人家もまばらな小さい村に入ると、夜の闇に紛れながら懐かしい景色が目に入ってきた。
小さい頃おばあちゃんの家に帰省すると従姉妹たちと一緒に畑の手伝いをしたり、野山を駆け回って虫取りをしたりした。
昔そこでは養蚕業をやっていたので、おじいちゃん(今は故人)が畑で刈ってきた桑の枝を蚕達にやるのがとても楽しかったのを思い出す。蚕が葉を食う「シャアシャア」という音を聴きながら眠ったものだ。
そんな事を思い出しながら走っているとようやく到着。
車を降り、少し緊張しながらドアを開ける。真っ先に出てきたのはおばあちゃんの娘さん。僕の来訪にかなりビックリしていたが大喜びしてくれ、すぐに招じ入れてくれた。
居間の掘り炬燵に座っていた、10年振りに会ったおばあちゃんは、とても小さくなっていた。でも僕の顔を覚えていてくれ、夜中にも関わらず会いに来たことをとても喜んでくれた。
嬉しかった。
大袈裟な言い方だが、この世に自分の存在することをこんなに喜んでくれる人がいるのだ・・・という事が素直に嬉しかった。
会社に帰ってからも仕事があったので話ができたのは10分程だったが、おばあちゃんは「また来てね」を何度も繰り返し言ってくれた。
実を言えば、おばあちゃんの余命が決して長く約束されているわけではない事を最近僕は聞いた。天国とやらの存在を信じるか否かは別として、いずれは永遠の別れをしなければならない。
それを知りつつも今まで会いに来ず、好き勝手に暮らしていた事を心の中で「おばあちゃんごめんね」と詫びながら、僕は再び車に乗り込み帰社の途に着いた。
もう一つ本当の事を言うと、仕事の事で週明けにとても難しい事態に直面しなければならない。僕の配慮の無さで大切なお客様を怒らせてしまい、先輩と共にその人へのお詫びと、今後とも取引を続けていただけるようお願いに行かなければいけないのだ。
場合によっては大きな問題になり、社会人として何らかの責任を取ることになる。
そんな憂鬱な事が控えている事を思いながらの帰社だったので、余計におばあちゃんの笑顔を見たかったのかもしれない。
おばあちゃんは僕がどんなに悪いイタズラをしてもいつも笑顔で許してくれた。そして10年の無沙汰を責めもせず、変わらない笑顔で僕を迎えてくれた。
何だか勇気を貰えた気がした。来週もきっと嫌な事が沢山あるだろう。でも、おばあちゃんの事を思い出しながら1日1日をしっかり生きていこうと思った。
実家から車で数時間の距離に住んでいるのだが、ここの所は自分が旅行や趣味にばかり時間を割き、家族と共に会いに出掛ける事もなくなっていた。
そのおばあちゃんは親戚の中で僕を一番可愛がってくれ、小さい頃には一時期、実家ではなくおばあちゃんの家に住みたいと泣いて親を困らせた事もあったw
最近は体調を崩して入退院を繰り返していたがようやく落ち着いて娘夫婦と共に暮らしていた。
高速を降りて記憶を辿りながら夜道を走り、人家もまばらな小さい村に入ると、夜の闇に紛れながら懐かしい景色が目に入ってきた。
小さい頃おばあちゃんの家に帰省すると従姉妹たちと一緒に畑の手伝いをしたり、野山を駆け回って虫取りをしたりした。
昔そこでは養蚕業をやっていたので、おじいちゃん(今は故人)が畑で刈ってきた桑の枝を蚕達にやるのがとても楽しかったのを思い出す。蚕が葉を食う「シャアシャア」という音を聴きながら眠ったものだ。
そんな事を思い出しながら走っているとようやく到着。
車を降り、少し緊張しながらドアを開ける。真っ先に出てきたのはおばあちゃんの娘さん。僕の来訪にかなりビックリしていたが大喜びしてくれ、すぐに招じ入れてくれた。
居間の掘り炬燵に座っていた、10年振りに会ったおばあちゃんは、とても小さくなっていた。でも僕の顔を覚えていてくれ、夜中にも関わらず会いに来たことをとても喜んでくれた。
嬉しかった。
大袈裟な言い方だが、この世に自分の存在することをこんなに喜んでくれる人がいるのだ・・・という事が素直に嬉しかった。
会社に帰ってからも仕事があったので話ができたのは10分程だったが、おばあちゃんは「また来てね」を何度も繰り返し言ってくれた。
実を言えば、おばあちゃんの余命が決して長く約束されているわけではない事を最近僕は聞いた。天国とやらの存在を信じるか否かは別として、いずれは永遠の別れをしなければならない。
それを知りつつも今まで会いに来ず、好き勝手に暮らしていた事を心の中で「おばあちゃんごめんね」と詫びながら、僕は再び車に乗り込み帰社の途に着いた。
もう一つ本当の事を言うと、仕事の事で週明けにとても難しい事態に直面しなければならない。僕の配慮の無さで大切なお客様を怒らせてしまい、先輩と共にその人へのお詫びと、今後とも取引を続けていただけるようお願いに行かなければいけないのだ。
場合によっては大きな問題になり、社会人として何らかの責任を取ることになる。
そんな憂鬱な事が控えている事を思いながらの帰社だったので、余計におばあちゃんの笑顔を見たかったのかもしれない。
おばあちゃんは僕がどんなに悪いイタズラをしてもいつも笑顔で許してくれた。そして10年の無沙汰を責めもせず、変わらない笑顔で僕を迎えてくれた。
何だか勇気を貰えた気がした。来週もきっと嫌な事が沢山あるだろう。でも、おばあちゃんの事を思い出しながら1日1日をしっかり生きていこうと思った。