短編集「空白の戦記」(吉村昭著)を読了。
この人の本を読むのは「ポーツマスの旗」に続き2冊目。何十年ぶりかで2冊目になる。
アニメ「艦これ」の主人公であった特型駆逐艦と同型の艦船が、演習海域に向かう途中で大型台風の進路に入ってしまい、巨大な波浪の直撃を受けて艦首切断した事故について記したものが6篇の短編の冒頭に収録されている。
事故が起こったのは昭和10年9月。同型艦が2隻も同様の事故を相次いで起こしたそうで、かつてアニメの中で特型駆逐艦の構造を「トップヘビー」(頭でっかちで安定性がない)と評していたが、武装を増やしたことで船体構造のバランスが悪かったことは想像に難くない。
だが巨大台風接近中で時化(しけ)ている海上にいる軍の艦船が、台風の進路が前の晩の予想と翌朝では逆に変化してしまったとはいえ、状況の変化に気象庁発表の午前10時の時点で初めて気付いたことに対して、驚くほど危機意識に欠けてる・・・という印象を受けるのは、そういう軍が戦争に負けたことを知っている後世だからこそ・・・だろうか?
当時の軍ならば、気象庁の観測担当者をしばき倒して、30分ごとにデータを送らすことも出来そうなものではないか?と考えたりするのも、気象のデータに気軽にアクセスできるようになっている今だからこそ・・・と言えるのかもしれないが、情報軽視、情報に対する無頓着さを感じるのであった。
そのくせ、都合の悪い「台風で軍艦の艦首が折れた重大事故」を、「2隻が衝突して先端が壊れちゃった」という具合に取り繕うのだから。
まあ「大本営発表」という表現が日本語には存在すること。いまもその尻尾のような面々が体制側にたんまり巣食っている以上、その手先のカスゴミ含めて連中の言い草を安易に信用できないということなのである。
この人の本を読むのは「ポーツマスの旗」に続き2冊目。何十年ぶりかで2冊目になる。
アニメ「艦これ」の主人公であった特型駆逐艦と同型の艦船が、演習海域に向かう途中で大型台風の進路に入ってしまい、巨大な波浪の直撃を受けて艦首切断した事故について記したものが6篇の短編の冒頭に収録されている。
事故が起こったのは昭和10年9月。同型艦が2隻も同様の事故を相次いで起こしたそうで、かつてアニメの中で特型駆逐艦の構造を「トップヘビー」(頭でっかちで安定性がない)と評していたが、武装を増やしたことで船体構造のバランスが悪かったことは想像に難くない。
だが巨大台風接近中で時化(しけ)ている海上にいる軍の艦船が、台風の進路が前の晩の予想と翌朝では逆に変化してしまったとはいえ、状況の変化に気象庁発表の午前10時の時点で初めて気付いたことに対して、驚くほど危機意識に欠けてる・・・という印象を受けるのは、そういう軍が戦争に負けたことを知っている後世だからこそ・・・だろうか?
当時の軍ならば、気象庁の観測担当者をしばき倒して、30分ごとにデータを送らすことも出来そうなものではないか?と考えたりするのも、気象のデータに気軽にアクセスできるようになっている今だからこそ・・・と言えるのかもしれないが、情報軽視、情報に対する無頓着さを感じるのであった。
そのくせ、都合の悪い「台風で軍艦の艦首が折れた重大事故」を、「2隻が衝突して先端が壊れちゃった」という具合に取り繕うのだから。
まあ「大本営発表」という表現が日本語には存在すること。いまもその尻尾のような面々が体制側にたんまり巣食っている以上、その手先のカスゴミ含めて連中の言い草を安易に信用できないということなのである。