弁護士法人四谷麹町法律事務所のブログ

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勤務地限定の合意があるとの主張に対する対応

2011-12-27 | 日記
Q31 勤務地限定の合意があったとの主張に対し,どのように対応すればいいでしょうか?

 転勤命令の有効性が争われた場合,勤務地限定の合意があったとの主張が労働者側からなされることが多いですが,勤務地が複数ある会社の正社員については,勤務地限定の合意はなかなか認定されません。
 したがって,就業規則に転勤命令権限についての規定を置き,入社時の誓約書で転勤等に応じること,就業規則を遵守すること等を誓約してもらっておけば,特段の事情がない限り,訴訟対策としては十分だと思います。

 他方,有期労働者,パートタイマー,アルバイト等の非正規雇用者については,勤務地限定の合意があるケースが多いと考えられます。
 労働契約上,非正規雇用者についても,転勤を伴う配転命令を出せるように定めることはできると思いますが,非正規雇用者を正社員と明確に区別して労務管理を行うという観点からは,そのような扱いはあまりお勧めできません。

弁護士 藤田 進太郎

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使用者の配転命令権限

2011-12-27 | 日記
Q30 使用者に配転命令権限があるといえるためには,どのようなことが必要ですか?

 配転命令権限の有無は,当該労働契約の解釈により決せられるべき問題です。
 使用者に配転命令権限があるというためには,対象社員の個別的同意は必ずしも必要ではなく,就業規則の規定,入社時の包括的同意書があれば足りるのが通常であり,配転命令権限に関する就業規則の規定,包括的同意書が存在しない場合であっても,使用者に配転命令権限が付与されていると解釈できることもあります。
 一般論としては,正社員については使用者に広範な配転命令権限が認められる傾向にあり,パート,アルバイトについては,配転命令権限が制限される傾向にあります。
 実務上は,勤務地限定の合意の有無,職種限定の合意の有無が争点とされることが多くなっています。

 東亜ペイント事件最高裁第二小法廷昭和61年7月14日判決は,使用者の転勤命令権限に関し,「思うに,上告会社の労働協約及び就業規則には,上告会社は業務上の都合により従業員に転勤を命ずることができる旨の定めがあり,現に上告会社では,十数か所の営業所等を置き,その間において従業員,特に営業担当者の転勤を頻繁に行っており,被上告人は大学卒業資格の営業担当者として上告会社に入社したもので,両者の間で労働契約が成立した際にも勤務地を大阪に限定する旨の合意はなされなかったという前記事情の下においては,上告会社は個別的同意なしに被上告人の勤務場所を決定し,これに転勤を命じて労務の提供を求める権限を有するものというべきである。」と判示しています。
 同最高裁判決が,労働者の個別同意なしに勤務場所を決定し,転勤を命じて労務の提供を求める権限を有するという結論を出すに当たって考慮している要素を抽出すると,以下のとおりとなります。
① 転勤命令権限に関する労働協約及び就業規則の定め
② 営業所の数,転勤の実情
③ 応募資格,職種
④ 勤務地限定の合意の有無

弁護士 藤田 進太郎

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試用期間満了前の本採用拒否(解雇)の有効性判断基準

2011-12-20 | 日記
Q26 試用期間満了前の本採用拒否(解雇)の有効性判断基準は,どのように考えるべきでしょうか?

 使用者の立場からすれば,試用期間を設ける意味は,採用決定後も社員として雇用し続けるか否かの判断を留保し,試用期間満了時までに社員としての適格性を審査して,社員として相応しくないと判断した場合に本採用を拒否して雇用を打ち切ることにありますので,試用期間満了前であっても社員として不適格であると判断した場合は,早期に本採用拒否(解雇)して雇用を打ち切りたいところかもしれません。
 しかし,労働者からすれば,少なくとも試用期間中は雇用を継続してもらえると期待するのが通常であり,試用期間満了前の本採用拒否(解雇)が容易に認められてしまうと,このような労働者の期待が裏切られる結果となってしまいますから,採用後間もない時期の本採用拒否(解雇)等,試用期間満了までの期間が長期間残っている時点での本採用拒否(解雇)は,客観的合理性,社会的相当性を欠くものとして無効(労働契約法16条)と判断されるリスクが高いものと考えられます。
 仮に,使用者から,労働者に対し,試用期間満了前であっても本採用拒否(解雇)することがある旨明示し,労働者がそれに同意して採用されたような場合であれば,労働者がそのような期待を持つことはないとも思われますが,試用期間満了時まで本採用するかどうかの最終判断を留保していることに加え,試用期間満了前の本採用拒否(解雇)まで容易に認められてしまうと,使用者の「いいとこ取り」となり,労働者の立場があまりにも不安定となってしまいますから,やはり,試用期間満了までの期間が長期間残っている時点での本採用拒否(解雇)は,客観的合理性,社会的相当性を欠くものとして無効(労働契約法16条)と判断されるリスクが高いものと考えられます。
 試用期間満了前の本採用拒否(解雇)は慎重に考えるべきであり,試用期間満了時まで社員としての適格性を審査しても適格性がないという結論が出ることが明らかな場合に限り行うべきでしょう。

弁護士 藤田 進太郎

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試用期間中の社員は通常よりも緩やかな基準で本採用拒否できるのですよね?

2011-12-20 | 日記
Q23 試用期間中の社員は通常よりも緩やかな基準で本採用拒否できるのですよね?

 試用者の本採用拒否は,本採用後の解雇と比べて,使用者が持つ裁量の範囲は広いと考えられており,三菱樹脂事件最高裁大法廷昭和48年12月12日判決も,試用期間における留保解約権に基づく解雇(本採用拒否)は,通常の解雇と全く同一に論じることはできず,通常の解雇の場合よりも広い範囲における解雇の自由が認められてしかるべきものと判示しています。
 具体的には,試用者の本採用拒否は,「解約権留保の趣旨,目的に照らして,客観的に合理的な理由が存し社会通念上相当として是認されうる場合にのみ許される」ということになります。
 ただし,それなりの理由がなければ本採用拒否はできませんので,安易に本採用拒否することはできないものだと理解しておく必要があります。

弁護士 藤田 進太郎

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試用期間満了前の本採用拒否(解雇)の有効性判断基準

2011-12-19 | 日記
Q26 試用期間満了前の本採用拒否(解雇)の有効性判断基準は,どのように考えるべきでしょうか?

 試用期間を設けるということは,採用決定後も社員としての適格性を審査し,試用期間満了時までに本採用するかどうかの結論を出すということを意味します。
 試用期間の途中で本採用拒否(解雇)するということは,本来予定された期間の上限に達していないのに,社員としての適格性がないとの結論を出すということであり,これを労働者の側から見ると,社員としての適格性を見てもらえる期間が一方的に短縮されてしまったことを意味します。
 試用期間満了前の本採用拒否が有効となるのは,試用期間満了時まで社員としての適格性を審査しても,適格性がないという結論が出ることが明らかな場合に限られると考えるべきでしょう。
 試用期間における本採用拒否の基準を緩やかに考えることについて,最高裁が主に念頭に置いているのは,試用期間満了をもって本採用を拒否するようなケースと思われます。
 試用期間満了まで間もない時期であれば,試用期間満了前であっても,試用期間満了時まで社員としての適格性を審査しても適格性がないという結論が出るか否かの判断は比較的容易なのかもしれませんが,採用から間もない時期における本採用拒否等,試用期間満了までまだ期間がある時点における本採用拒否は,余程の事情がない限り相当性を欠き,解雇権を濫用したものとして無効(労働契約法16条)となるリスクが高いと考えられます。

弁護士 藤田 進太郎

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試用期間中の本採用拒否

2011-12-19 | 日記
Q22 試用期間中の社員であれば,本採用拒否は自由にできますよね?

 使用者と試用期間中の社員との間では,既に留保解約権の付いた労働契約が成立していると考えられる事案がほとんどですから,本採用拒否の法的性質は,留保された解約権の行使であり,解雇の一種ということになるのが通常のため,解雇権濫用法理(労働契約法16条)が適用されることになります。
 採用の場面とは異なりますから,試用期間中だからといって,自由に本採用拒否(解雇)できるわけではありません。
 三菱樹脂事件最高裁大法廷昭和48年12月12日判決も,「被上告人に対する本件本採用の拒否は,留保解約権の行使,すなわち雇入れ後における解雇にあたり,これを通常の雇入れの拒否の場合と同視することはできない。」と判示しています。

 弁護士 藤田 進太郎

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一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超える部分の減給を次期の賃金支払期に行うことがでるか。

2011-12-17 | 日記
Q186 一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えて減給処分を行う必要がある場合,一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超える部分の減給を次期の賃金支払期に行うことができますか?

 「総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない」(労基法91条)とは,一賃金支払期に発生した数事案に対する減給の総額が,当該賃金支払期における賃金の総額の10分の1以下でなければならないという意味と考えられています(昭和23年9月8日基収第1789号)。
 したがって,一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えて減給処分を行う必要がある場合,一賃金支払期ごとには賃金の総額の10分の1を超えて減給処分を行うことはできませんが,一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超える部分の減給を次期の賃金支払期に行うのであれば,これを行うことができることになります。

弁護士 藤田 進太郎

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就業時間外に社外で飲酒運転,痴漢,傷害事件等の刑事事件を起こして逮捕された。

2011-12-17 | 日記
Q9 就業時間外に社外で飲酒運転,痴漢,傷害事件等の刑事事件を起こして逮捕された。

 就業時間外に社外で社員が刑事事件を起こしたとしても,それだけでは直ちに懲戒処分に処することができるわけではありません。
 まずは,本人の言い分をよく聞き,記録に残しておくべきでしょう。

 本人が犯行を否認しており,犯罪が行われたかどうかが明らかではない場合は,犯行があったことを前提に懲戒処分をすることはリスクが高いので,懲戒処分は慎重に行う必要があります。
 逮捕勾留されたことにより,社員本人と連絡が取れなくなり,無断欠勤が続くこともあり得ますが,まずは家族等を通じて,連絡を取る努力をすべきです。
 家族等から,欠勤の連絡等が入ることがありますが,懲戒解雇等の処分を恐れて,犯罪行為により逮捕勾留されていることまでは報告を受けられない場合もあります。
 痴漢,傷害事件等,被害者のある刑事事件における弁護人の起訴前弁護の主な活動内容は,早期に被害者と示談して不起訴処分を勝ち取ることです。
 不起訴処分が決まれば,逮捕勾留は解かれ,出社できる状態となります。
 刑事事件を犯したことを会社に知られずに出社できた場合は,弁護人としていい仕事をしたことになります。
 年休取得の申請があった場合は,年休扱いにするのが原則です。

 従業員が起訴された事実のみで,形式的に起訴休職の規定の適用が認められるものではありません。
 「職務の性質,公訴事実の内容,身柄拘束の有無など諸般の事情に照らし,起訴された従業員が引き続き就労することにより,被告の対外的信用が失墜し,又は職場秩序の維持に障害が生ずるおそれがあるか,あるいは当該従業員の労務の継続的な給付や企業活動の円滑な遂行に障害が生ずるおそれがある場合」に該当するかどうか,休職によって被る社員の不利益の程度が,「起訴の対象となった事実が確定的に認められた場合に行われる可能性のある懲役処分の内容と比較して明らかに均衡を欠く場合」に該当するかどうかを検討する必要があります。
 なお,起訴休職制度を設けると,判決が確定するまで解雇することができないと解釈されるおそれがありますので,そのような事態を避けるためには起訴休職制度は設けず,個別に対応する方が適切かもしれません。

 懲戒解雇は紛争になりやすく,懲戒解雇が無効と判断されるリスクもそれなりにありますので,慎重に検討する必要があります。
 会社の社会的評価を若干低下させたという程度では足りません。
 懲戒解雇が無効とされるリスクがある事案については,より軽い懲戒処分にとどめた方が無難かもしれません。
 結果として,社員が自主退職することもあります。
 最初に刑事事件を起こした際に,懲戒解雇を回避してより軽い懲戒処分をする場合は,書面で,次に同種の刑事事件を起こしたら懲戒解雇する旨の警告をするか,次に同種の刑事事件を起こしたら懲戒解雇されても異存ない旨記載された始末書を取っておくべきでしょう。
 そうすれば,同種の犯罪を犯した場合の懲戒解雇が有効となりやすくなります。
 懲戒解雇の可否の判断にあたっては,「当該行為の性質,情状のほか,会社の事業の種類・態様・規模,会社の経済界に占める地位,経営方針及びその従業員の会社における地位・職種等諸般の事情から綜合的に判断して,右行為により会社の社会的評価に及ぼす悪影響が相当重大であると客観的に評価される場合」に該当するかどうかを検討することになります。
 例えば,タクシーやバスの運転業務に従事している社員が飲酒運転した場合や,電鉄会社社員等,痴漢を防止すべき立場にある者が痴漢した場合は,比較的懲戒解雇が認められやすくなります。

弁護士 藤田 進太郎

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「6か月に渡り減給処分10%」とできるか。

2011-12-17 | 日記
Q185 問題を起こした社員がいたので,6か月に渡り減給処分10%としようと思いますが,法的に問題がありますか?

 労基法91条は,「就業規則で,労働者に対して減給の制裁を定める場合においては,その減給は,一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え,総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。」と規定しています。
 そして,労基法91条は,同条の制限に違反する減給の制裁を就業規則に定めることを禁止するのみならず,同条の制限に違反して減給することをも禁止しているものと考えられますから,同条の制限を超える減給処分は無効となります。
 「6か月に渡り減給処分10%」という処分は,通常は「一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え」ていると考えられますので,労基法91条に違反し無効となり,30万円以下の罰金に処せられることになります(労基法120条1号)。

弁護士 藤田 進太郎

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法内残業の残業代を不支給とすることの可否

2011-12-16 | 日記
Q56 所定労働時間が7時間の事業場において,1日8時間までの時間帯(1時間分)の法内残業について,残業代を支払わない扱いにすることはできますか?

 所定労働時間が7時間の事業場において,1日8時間までの時間帯(1時間分)の法内残業については,労基法37条の規制外ですので,労基法37条に基づく割増賃金の請求は認められず,法内残業分の残業代を支給する義務が使用者にあるかどうかは,労働契約の解釈の問題となります。
 例えば,1日の所定労働時間が7時間の会社において,最初の1時間残業した部分(法内残業)については労基法37条に基づく割増賃金の請求は認められず,就業規則や個別合意に基づく残業代請求が認められるかどうかが検討されることになります。
 したがって,理屈では法内残業については残業代を支給しない扱いにすることもできることになります。

 もっとも,「労働契約の合理的解釈としては,労基法上の労働時間に該当すれば,通常は労働契約上の賃金支払の対象となる時間としているものと解するのが相当である」(大星ビル管理事件最高裁第一小法廷平成14年2月28日判決)と考えるのが一般的ですから,法内残業時間の賃金額について何の定めもないからといって,賃金を支払わなくていいことにはなりません。
 法内残業時間の賃金額に関する合意がない場合は,割増をしない通常の賃金額を支払う旨の合意があるものと解釈して賃金額を計算すべきことになるのが通常です。
 仮に,法内残業時間の残業代を不支給にするとか,通常の賃金額よりも低い金額にするとかいった場合には,明確にその旨を合意するなどして,労働契約の内容としておく必要があります。

弁護士 藤田 進太郎

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就業規則の作成届出義務の有無に関する労働者の人数は,企業単位,事業場単位のどちらで考えればいいのか?

2011-12-16 | 日記
Q184 「常時10人以上の労働者を使用する使用者」は就業規則の作成届出義務があるとされていますが(労基法89条),労働者の人数は企業単位,事業場単位のどちらで考えればいいのでしょうか?

 「常時10人以上の労働者を使用する使用者」は就業規則の作成届出義務があるとされていますが(労基法89条),常時使用する労働者の人数は企業単位,事業場単位のどちらで考えればいいのでしょうか?
 これは,例えば,ある企業が,A事業場で7名,B事業場で7名の労働者を常時使用しているような場合に問題となります。

 この点に関しては,反対説もありますが,労基法が事業に使用される労働者に適用されるものであること,労基法90条が就業規則の作成変更の際の意見聴取を事業場単位で行うものとしていることから,常時使用する労働者の人数は事業場単位で考えるのが一般です。
 したがって,上記事例では,A事業場とB事業場がそれぞれ独立した事業場の場合,いずれの事業場についても,就業規則の作成義務はないことになります。

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労働審判の答弁書において否認の理由を記載する必要性

2011-12-16 | 日記
Q183 労働審判の答弁書において申立人の主張を否認する場合,否認の理由を記載する必要がありますか?

 民事訴訟では,答弁書その他の準備書面において,相手方の主張する事実を否認する場合には,その理由を記載しなければならないとされています(民訴規則79条3項)。
 審理充実の観点から否認の理由を答弁書に記載すべき要請は労働審判においても変わりませんので,労働審判の答弁書においても否認の理由を記載すべきでしょう。
 少なくとも,重要な事実の否認については,それなりの理由を記載すべきです。

弁護士 藤田 進太郎

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「答弁を基礎付ける具体的な事実」(労働審判規則16条1項3号)

2011-12-16 | 日記
Q182 労働審判の答弁書では,「答弁を基礎付ける具体的な事実」(労働審判規則16条1項3号)の記載が求められていますが,この項目には具体的に何を書けばいいのですか?

労働審判の答弁書の「答弁を基礎付ける具体的な事実」(労働審判規則16条1項3号)の項目には,解雇,弁済等の抗弁事実を記載することになります(『労働事件審理ノート』)。

弁護士 藤田 進太郎

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懲戒解雇事由に該当し得る場合の普通解雇

2011-12-15 | 日記
Q19 懲戒解雇事由に該当し得る場合であっても普通解雇できますか?

 高知放送事件最高裁昭和52年1月31日判決は,「就業規則所定の懲戒事由にあたる事実がある場合において,本人の再就職など将来を考慮して懲戒解雇に処することなく,普通解雇に処することは,それがたとえ懲戒の目的を有するとしても,必ずしも許されないわけではない。」と判断しており,懲戒解雇事由がある場合であっても,就業規則の普通解雇事由に該当するのであれば,普通解雇できることに争いはありません。
 この場合の普通解雇の有効性は,普通解雇の要件を具備しているかどうかにより判断されることになります。

弁護士 藤田 進太郎

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四谷麹町法律事務所 トップページ

2011-12-15 | 日記
 四谷麹町法律事務所所長弁護士藤田進太郎東京)は,健全な労使関係の構築を望んでいる会社経営者のお手伝いをしたいという強い思いを持っており,使用者・経営者側専門の立場から,問題社員労働審判団体交渉解雇残業代請求の対応等,労働問題の予防・解決に力を入れています。
 問題社員労働審判団体交渉解雇残業代請求の対応等,労働問題でお悩みでしたら,弁護士藤田進太郎(東京)にお気軽にご相談下さい。

 近年,問題社員による身勝手な振る舞い,解雇・退職に関する紛争,割増賃金(残業代)の請求,うつ病への罹患・アスベスト(石綿)吸引による死亡等を理由とする損害賠償請求等の労働問題が急増し,弁護士に対する相談件数が増加しています。
 しかし,問題社員を採用段階で排除できずに採用してしまったり,問題社員に十分な指導をしないまま放置したり,解雇の有効性を十分に検討しないまま解雇したり,残業代を基本給と区別して支払っていなかったり,長時間労働を放置したりしているなど,労働問題に関するリスク管理が不十分な会社がまだまだ多く,無防備な状態のまま,労働者から訴訟を提起されるなどして多額の解決金の支払を余儀なくされて初めて,対策を検討し始める会社経営者が多いというのが実情です。
 会社経営者が,自社が深刻な労働問題のリスクにさらされているという認識が希薄なまま,何らの対策も取らないでいた結果,問題社員等との間で労働問題が発生し,多額の解決金を支払うことを余儀なくされてから,社員に裏切られたとか,詐欺にあったようなものだとか,社員にも裁判官にも経営者の苦労を分かってもらえないだとか,法律が社会の実情に合っていないだとか嘆いてがっかりしている姿を見ていると,本当に残念な気持ちになります。
 せっかく一生懸命育ててきた会社なのですから,問題社員の身勝手な振る舞いや,コンプライアンス上問題のある労務管理により生じた労働問題で大きなダメージを被って取り返しがつかない結果になる前に対処しておかなければなりません。

 四谷麹町法律事務所所長弁護士藤田進太郎(東京)は,健全な労使関係の構築を望んでいる会社経営者のお手伝いをしたいという強い思いを持っています。
 問題社員・労働審判・団体交渉・解雇・残業代請求の対応等の労働問題でお悩みでしたら,弁護士藤田進太郎(東京)にご相談下さい。

四谷麹町法律事務所
所長弁護士 藤田 進太郎

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