弁護士法人四谷麹町法律事務所のブログ

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労基法に基づく残業代計算の基礎となる休日労働時間とは,どのような時間のことをいいますか。

2014-07-15 | 日記

労基法に基づく残業代(割増賃金)計算の基礎となる休日労働時間とは,どのような時間のことをいいますか。

 労基法に基づく残業代 (休日割増賃金)計算の基礎となる休日労働時間とは,労基法35条の法定休日(1週1休)に労働させた時間のことをいいます。
 土日が休日の週休二日制で祝祭日が休日の会社において,休日である土曜日や祝祭日に労働させた場合であっても,日曜日が法定休日の場合は,ここでいう休日労働には該当しません(週40時間(特例措置対象事業場では週44時間)を超えて労働させた結果,時間外労働に該当する可能性はあります。)。


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「休憩時間」(労基法34条)中の外出を制限することはできますか。

2014-07-15 | 日記

「休憩時間」(労基法34条)中の外出を制限することはできますか。

 休憩時間中の外出を許可制とすることも,事業場内において自由に休憩し得る場合には必ずしも違法にはなりません(昭和23年10月30日基発第1575号)。
 休憩時間中の外出を許可制としたとしても,労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間と評価することができるのであれば,労働時間ではなく「休憩時間」(労基法34条)と評価されることになりますが,休憩時間中の外出を許可制としている場合,実態として電話や来客の対応が義務づけられがちであり,労働からの解放が保障されていなかったと評価されるリスクがありますので,休憩時間中の外出を許可制とする場合は,労働からの解放が保障されているといえるよう十分に配慮した労務管理を行う必要があります。


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休憩時間の自由利用に制限を加えることはできますか。

2014-07-15 | 日記

休憩時間の自由利用に制限を加えることはできますか。

 使用者は,労働者に対し,休憩時間を自由に利用させなければなりません(労基法34条3項)。
 ただし,休憩時間の自由利用も絶対的なものではなく,事業場の規律保持上必要な制限を加えることは休憩の目的を損なわない限り差し支えありません(昭和22年9月13日基発第17号)。休憩時間中の外出について所属長の許可を受けさせることも,事業場内において自由に休息し得る場合には,必ずしも違法にはなりません(昭和23年10月30日基発第1575号)。
 使用者の事業所等の管理権に基づく労働者に対する行動規制は,休憩時間中のものであっても,管理権の合理的な行使として是認され得る範囲内にある限り,有効なものとして拘束力を有することになります(米軍立川基地事件最高裁昭和49年11月29日第三小法廷判決)。
 目黒電報電話局事件最高裁昭和52年12月13日第三小法廷判決も,「一般に、雇用契約に基づき使用者の指揮命令、監督のもとに労務を提供する従業員は、休憩時間中は、労基法三四条三項により、使用者の指揮命令権の拘束を離れ、この時間を自由に利用することができ、もとよりこの時間をビラ配り等のために利用することも自由であつて、使用者が従業員の休憩時間の自由利用を妨げれば労基法三四条三項違反の問題を生じ、休憩時間の自由利用として許される行為をとらえて懲戒処分をすることも許されないことは、当然である。しかしながら、休憩時間の自由利用といつてもそれは時間を自由に利用することが認められたものにすぎず、その時間の自由な利用が企業施設内において行われる場合には、使用者の企業施設に対する管理権の合理的な行使として是認される範囲内の適法な規制による制約を免れることはできない。また、従業員は労働契約上企業秩序を維持するための規律に従うべき義務があり、休憩中は労務提供とそれに直接附随する職場規律に基づく制約は受けないが、右以外の企業秩序維持の要請に基づく規律による制約は免れない。」としています。


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交代で休憩時間を取らせることはできますか。

2014-07-15 | 日記

交代で休憩時間を取らせることはできますか。

 休憩時間は事業場ごとに,一斉に与えなければならないとされており(労基法34条2項本文),原則として,労働者に対し,交代で休憩時間を与えることは認められません。
 ただし,運送事業,販売・理容の事業,金融・保険・広告の事業,映画・演劇・興業の事業,郵便・電信・電話の事業,保健衛生の事業,旅館・飲食店・娯楽場の事業,官公署等においては適用が除外されており,一斉に休憩を与える必要はありません。
 その他の事業でも,労使協定を締結すれば(届出は不要),休憩時間を一斉に与える必要はなくなり,交代で休憩時間を与えることもできるようになります(労基法34条2項ただし書き)。


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「休憩時間」(労基法34条)は,まとめて与えなければなりませんか。

2014-07-15 | 日記

「休憩時間」(労基法34条)は,まとめて与えなければなりませんか。

 「休憩時間」(労基法34条)をまとめて与えなければならないという規制はなく,例えば,1日8時間を超えて労働させる場合であっても,45分と15分に分割して与えることもできます。


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休憩時間を与える位置について労基法上の規制がありますか。

2014-07-15 | 日記

休憩時間を与える位置について労基法上の規制がありますか。

 休憩時間は,「労働時間の途中」に与えなければなりません(労基法34条1項)。例えば,9時勤務開始,12時~13時の1時間が休憩時間,18時勤務終了といったように,労働時間の途中に与える必要があります。
 9時~10時に休憩時間を取らせたことにして,10時勤務開始,18時勤務終了ということにはできませんし,9時勤務開始,17時勤務終了,17時~18時休憩時間とすることもできません。
 もっとも,労働時間の途中に与えさえすれば,休憩時間の位置は問われません。

 例えば,9時勤務開始で休憩時間を与えないまま17時まで8時間続けて働かせ,その後,1時間の休憩時間を取らせてから,さらに2時間働かせたような場合であっても,労基法34条違反とはなりません。


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社員との合意により,6時間を超えて働かせる場合に休憩時間をなしにすることはできますか。

2014-07-15 | 日記

社員との合意により,6時間を超えて働かせる場合に休憩時間をなしにすることはできますか。

 6時間を超えて働かせる場合に休憩時間を与えることは労基法34条により使用者に義務づけられていますので,6時間を超えて働かせる場合に休憩時間をなしにする旨社員と合意したとしても当該合意は無効となり,労基法34条で定められた労働条件が適用されることになります(労基法13条)。
 したがって,6時間を超えて働かせる場合に休憩時間をなしにすることはできません。


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休憩時間の長さに関する労基法上の規制を教えて下さい。

2014-07-15 | 日記

休憩時間の長さに関する労基法上の規制を教えて下さい。

 休憩時間の下限に関し,労基法上,1日の労働時間が6時間までであれば休憩時間を与えることは要求されていませんが,1日の労働時間が6時間を超え8時間までの場合は45分以上の休憩時間を,1日の労働時間が8時間を超える場合は1時間以上の休憩時間を与える必要があります(労基法34条1項)。
 他方,休憩時間の上限については労基法上,規制されていません。


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必要に応じて実作業に従事するよう指示した場合,従事する事がほとんどない場合でも労働時間なのか

2014-07-15 | 日記

休憩時間内に必要に応じて実作業に従事するよう指示した場合,実作業に従事する可能性がほとんどない場合であっても,労基法上の労働時間に当たることになるのでしょうか。

 大星ビル管理事件最高裁平成14年2月28日第一小法廷判決が,「上告人らは,本件仮眠時間中,労働契約に基づく義務として,仮眠室における待機と警報や電話等に対して直ちに相当の対応をすることを義務付けられているのであり,実作業への従事がその必要が生じた場合に限られるとしても,その必要が生じることが皆無に等しいなど実質的に上記のような義務付けがなされていないと認めることができるような事情も存しないから,本件仮眠時間は全体として労働からの解放が保障されているとはいえず,労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価することができる。」としていることからすれば,休憩時間内に必要に応じて実作業に従事するよう指示した場合であっても,「実作業への従事がその必要が生じた場合に限られ,その必要が生じることが皆無に等しいなど実質的に上記のような義務付けがなされていないと認めることができるような事情がある場合」には,労働からの解放が保障されているといえ,労働契約上の役務の提供が義務付けられていないと評価することができるものと考えられます。
 したがって,設問中の「実作業に従事する可能性がほとんどない場合」が,「実作業への従事がその必要が生じた場合に限られ,その必要が生じることが皆無に等しいなど実質的に上記のような義務付けがなされていないと認めることができるような事情がある場合」と評価できるような場合には,労基法上の労働時間には当たらないと考えられます。


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