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自己申告制を採用する場合の注意点を教えて下さい。

2014-07-11 | 日記

自己申告制を採用する場合の注意点を教えて下さい。

 平成13年4月6日基発339号「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」では,自己申告制を採用する場合には,使用者は以下の3つの措置を講ずることとされています。
 ① 自己申告制を導入する前に,その対象となる労働者に対して,労働時間の実態を正しく記録し,適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと。
 ② 自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて,必要に応じて実態調査をすること。
 ③ 労働者の労働時間の適正な申告を阻害する目的で時間外労働時間数の上限を設定するなどの措置を講じないこと。
 また,時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払等労働時間に係る事業場の措置が,労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認するとともに,当該要因となっている場合においては,改善のための措置を講ずることとされています。


在社時間と労働時間の関係を教えて下さい。

2014-07-11 | 日記

在社時間と労働時間の関係を教えて下さい。

 在社時間はオフィスにいる時間を意味するのに対し,労基法上の労働時間は,労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれている時間を意味しますから,在社時間と労働時間が別の概念であることは明らかです。
 しかし,現実には,仕事をするスペースにいる時間は,事実上,使用者の指揮命令下に置かれているものと推定され,有効な反証ができない限り,労基法上の労働時間に該当すると判断される可能性が高いと言わざるを得ません。
 近時の裁判例の中にも,「一般論としては,労働者が事業場にいる時間は,特段の事情がない限り,労働に従事していたと推認すべきである。」とするものがあります(ヒロセ電機事件東京地裁平成25年5月22日判決)。