33 「世界の現状と今後の日本の課題」の描き方 -13- (完)
■まとめと考察
⑵ 日本の軍事的安全保障(冷戦終了後~現在)2/2
1 「自衛隊の活動」の描き方
●PKOと、東日本大震災時の災害救助活動の両方を描いている。 → 〇 自由社。
●東日本大震災について描いているが、、自衛隊の活動は無記。 → △ 上記以外の7社。
●上記のうち、東日本大震災について2頁の特集をしているのに、自衛隊の活動は無記。 → ✖ 東京書籍、日本文教。
※自衛隊は、隊員23万人のほぼ半数を投入し、救助活動などの中核を担った。「自衛隊が19286名、消防が5064名、警察が3749名をそれぞれ救出した」とされている。「自然災害大国」である日本で、自衛隊は救助等における最重要の存在となっている。
2 「わが国に直接的に関連する軍事的状況」の描き方
●「中国の軍事的脅威」、「核兵器」、「北朝鮮の核兵器開発」の3点について描いている。 → 〇 自由社。
●「中国の軍事的脅威」の無記。 → ✖ 東京書籍、帝国書院、日本文教、清水書院、学び舎。
●自国である日本国と、他国である中国や韓国の主張を同等に扱っている。 → ✖ 教育出版。
※《当該国の義務教育の教科書では、当該国による公的主張や見解を優先に扱う》というのが世界標準であり、現状では当然のことだろう。
●「核兵器」に関する言及が無い。 → △ 帝国書院、学び舎。
●「北朝鮮の核兵器開発」の無記 → △ 育鵬社、帝国書院、日本文教、学び舎。
※「世界政府」がなく、国連の安保理事会がほぼ無力な現状において、「各国の軍事力」は、《国際関係における ”競争力” の最強の源泉(要素)》だろう。そして、今は「核兵器」が軍事力の最強の要素だ。
(※国内マスメディアの情報をながめると、日本人の多くが、まだこの事実から”目をそむけている”ように、見える。しかし、現実世界では、米国から見放されたとたん、中・ロ・北朝鮮などの核があらゆる局面でその影響力を強めるだろう。自国の運命を、外国人の「良識」や「人権意識」にゆだねる気にはなれないが、あなたはどう思いますか?)
3 「わが国の『外交』・『平和(戦争』について」の描き方
これからの日本を担う中学生に教えるにしては、《帝国書院はあまりにも”志”が低く、教育出版はあまりにも頼りない》、と思うのですが、あなたはいかがですか?
~これで、【中学歴史教科書8社を比べる】シリーズの、全項目についての評価作業が完了しました。次回は、各社の総得点表を掲載予定~
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・著者:松永正紀 教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》※記事の不備等に関するお願い…《ブログ「やおよろずの神々の棲む国で」の記事》が原典。他に2つのサイトに同時に投稿中。不備等の後日修正は原典のみで実施中ですが、事情により原典ブログではコメント機能を止めています。ブログの内容に疑問がある場合は、投稿中の2つのサイト<AまたはB >へのコメントで教えてください。