【ひと】シリーズ <1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・11・12・>
■大陸に棲んでいた(いる)民族間では、おおむね「緊張した関係」が常態 ~多くの民族が滅んでいった~
1.他の民族に比して、《他民族の危険》から遠かった日本民族
私も含めて、特にいわゆる「戦後」期(昭和20:1945年~※平成25:2013年ごろ)に育った日本人は、諸外国や諸民族の状況についてなかなか理解しにくいようです。
※h25/4/28・・・「1952年の第二次世界大戦における連合国との平和条約発効から61年目を迎え、『主権回復・国際社会復帰を記念する式典』を明仁・皇后美智子出席の下に東京・永田町の憲政記念館にて初めて開催した。」<ウィキペディア>
私見では、この頃から、安倍政権による《日本国の実質的独立国化(→対米対等外交へ)の動き》がはっきりと加速したと思えるので、ここでは「対米戦後期」の終わり(の始まり)を平成25(2013)年としています。
※「日本人」=以下、このシリーズでは日本民族系日本人、および、非敵対的な帰化人・混血を指す。国籍だけを要件とする「日本国民」とは区別して使う。
「戦後期日本人が平和ボケ」と言われる理由はもうほとんどの日本人はお分りでしょう。
しかし、さらに歴史をさかのぼってみても、《渡りにくい海》に囲まれた日本人の多く(≒被統治層)は、《自然(災害)の危険》には世界でも有数に敏感なのに、《他民族の危険》については、大陸に棲む他民族に比して鈍感だったと思われます。
※イギリスは、日本とちがって「泳いでも渡れないことはないドーバー海峡」なので「準大陸国」と言ってよい。
・この2000年間の、日本国と他民族・他国との戦争 <ウィキペディア参照>
①「神宮皇后の三韓征伐」前後(弥生・古墳時代:西暦紀元3-4世紀) ■所:朝鮮半島。■敵:朝鮮半島諸国。
②「白村江の戦い」(古墳・飛鳥時代:西暦663年)■所:朝鮮半島。■敵:唐国(≒支那:china)・新羅(朝鮮) □味方:百済(朝鮮)。
③「元寇」(鎌倉時代:西暦1274・1281年) ■所:九州北部沿岸 ■敵:モンゴル帝国:元・高麗王国(朝鮮)
~アメリカ合衆国のペリー提督の来航:開国要求以後~
④「日清戦争」(明治27・28:1885・1886年) ■所:朝鮮半島・清国と近海 ■敵:清朝(支那:china)
⑤「日露戦争」(明治37・38:1905・1906年) ■所:清国(旅順・奉天)、樺太(からふと)、黄海・日本海 ■敵:ロシア帝国。
⑥「第1次世界大戦」(大正3-7:1914-1918年) ■所:中華民国山東省、南洋諸島、インド洋、地中海 ■敵:ドイツ帝国、オーストリア・ハンガリー帝国。
⑦「満州事変」(昭和6-8:1931-1933年) ■所:満洲(中華民国東北部) ■敵:中華民国政府軍、東北辺防軍(中国軍閥:張学良)、中国共産党軍。
⑧「日中戦争」(昭和12-20:1937-1945年) ■所:中華民国 ■敵:中華民国政府軍、中国共産党軍
⑨「大東亜戦争」※米呼称:「太平洋戦争」(昭和16-20:1941-1945年)
■所:アジア東部、太平洋、日本全土
■敵:「連合国」=アメリカ合衆国、大英帝国、オーストラリア・ニュージーランド連合軍、カナダ、オランダ、中華民国重慶政府、ソビエト連邦(1945)、蒙古人民共和国(1945)、フランス共和国臨時政府(1945)。/その他に中国共産党軍など。
□味方:タイ王国(1942-45)、満州国、中華民国南京国民政府(汪兆銘政権)、蒙古自治邦政府、ビルマ国(独立義勇軍)…以上は共に戦闘 /ドイツ、フランスヴィシー政権、フランス領インドシナ政府、イタリアなど。
※台湾や朝鮮、樺太などは日本国そのもの。
9つの他民族との戦いのうち、日本国内の陸地での戦いは、元寇と大東亜戦争のみでした。
つまり、日本民族が自国の領土内で他民族・国家から(戦争規模で)攻撃されたのは、2千年ほど昔の建国以来、たった2回しかなかったのです。
国土を占領されたのは直近70年ほど前の1回だけ。
日本の他民族・外国との戦争の多くは、19世紀後半~20世紀前半の約100年間の《世界の大転換期》の地球規模の大戦争群の一部。
つまり、16世紀ごろから続いていた、白人による「世界帝国主義時代」・「世界植民地時代」=《地球全体の分捕り合戦》の時代の終わりごろの戦争群の一部でした。
※なお、500年ほども続いた世界植民地時代を実質的に終わらせた(きっかけを作った)のは、《唯一の、有色人種の列強国家:大日本帝国の興隆と反抗》であったことは歴史上の事実です。
さて、この9つという数が、《この2000年間の大陸に棲んでいた民族(とその国家)のそれぞれの戦争の数》と比べれば、はるかに少ないことを考えれば、いい意味での「日本人の平和ボケ」は古代からえんえんと続いているのかもしれませんね。
~次回の「2.ものすごい数の世界の民族対立と戦争」に続きます~
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