楽々雑記

「楽しむ」と書いて「らく」と読むように日々の雑事を記録します。

自宅の版画。

2009-08-10 01:13:37 | Weblog
先日泊まったホテルの部屋に南桂子の版画(※)が掛かっていた。水天宮のミュゼで見た展示は数年前だったことを思い出しつつ、プライベートな空間で改めて見ると作品に対する印象が異なることを知った。美術品を自分だけのためにコレクトする人の気持ちが何となく分かるような気になったけれど、勿論、そんなことをするつもりはない。
昨年、畦地梅太郎の版画を購入したからか、今年も案内が届いていたので、軽い気持ちで新宿まで出かけた。特に買うつもりはなかったけれど、見てしまうとやはり面白くなってしまう。ひと通り眺めてから、昨年買った「白い手袋」は良い買い物だったと自己満足に浸っていると「いかがでしょうか」と担当者が近づいてきた。正直に感想を話したうえで気になった2点について詳しく説明を聞く。この時点で買う方向へ心が動き始めていたのかもしれない。家族会議を開いて相談しなくては、というようなことを言いつつ、結局、気付けば伝票にサインをしていた。涸沢の夏スキーを描いた一枚だから今年の夏の思い出にしようと思いついたが、涸沢に行ったことのない自分にとっては言い訳にしかならないとすぐに気付いて別の言い訳を探し始めたが、未だに良い言い訳は思いついていない。
数日前に届いた包みをやっと開けた。やはり買って良かったと改めて思う。どこに掛けようかと思案しながら、まだ床の上に置いたままになっているけれど、いつも座っている場所から眺めるには丁度良い。夏の間はこれを眺めて過ごそうと予定外の出費になった財布のことを考えながら、身近な場所に新しい楽しみが訪れたことを素直に喜ぶことにした。

※南桂子の版画はこちら。思わぬ偶然に小躍りしました。これは885号室でしたが、他の部屋はどうなのか気になるところです。