公開中の「教皇選挙」を観に行った。
【解説】第95回アカデミー賞で国際長編映画賞ほか4部門を受賞した「西部戦線異状なし」のエドワード・ベルガー監督が、ローマ教皇選挙の舞台裏と内幕に迫ったミステリー。全世界14億人以上の信徒を誇るキリスト教最大の教派・カトリック教会。その最高指導者で、バチカン市国の元首であるローマ教皇が亡くなった。新教皇を決める教皇選挙「コンクラーベ」に世界中から100人を超える候補者たちが集まり、システィーナ礼拝堂の閉ざされた扉の向こうで極秘の投票がスタートする。票が割れる中、水面下でさまざまな陰謀、差別、スキャンダルがうごめいていく。選挙を執り仕切ることとなったローレンス枢機卿は、バチカンを震撼させるある秘密を知ることとなる。ローレンス枢機卿を「シンドラーのリスト」「イングリッシュ・ペイシェント」の名優レイフ・ファインズが演じるほか、「プラダを着た悪魔」のスタンリー・トゥッチ、「スキャンダル」のジョン・リスゴー、「ブルーベルベット」のイザベラ・ロッセリーニらが脇を固める。第97回アカデミー賞で作品、主演男優、助演女優、脚色など計8部門でノミネートされ、脚色賞を受賞した。
予告編を観て観たかった作品で楽しみにミュージカル観劇前に映画館へ向かった。カーペットから身にまとう衣装まで赤色がとても印象的な作品で、様々な野心や陥れ、陰謀が交錯する。とにかくローレンス枢機卿役のレイフ・ファインズが実に素晴らしい。ただ教皇に次ぐ聖職位で教皇の最高顧問である枢機卿が選挙を仕切るのだが、新教皇選挙の候補者対象になる上にその本人が推す司教がいるという完全に中立の立場でないところがやたら複雑で興味深い。
改めて人間の業の深さを考えさせられる内容であるが、聖職者ですら起こることなので政治を始めどんな小さな組織や団体、グループでも起こることはごくごく自然なことなのだろう。終盤とある司教が集団を皮肉る台詞がかなり核心をついていて爽快に感じる。ラストは現代では然程問題視されないのではないか?と思いつつも、そんな時代になったんだなと自分自身改めて思った。