なかなかすべて観終えることが難しい増え続ける「(映画)撮り貯めリスト」。とりあえず休日には最低一本観ると決め、「ひまわり(1970年公開)」を観た。
【解説】戦争という大きな運命の前に散っていった愛。制作指揮はジョゼフ・E・レヴィン、製作はカルロ・ポンティとアーサー・コーン、監督は「恋人たちの場所」のヴィットリオ・デ・シーカ。脚本はチェザーレ・ザヴァッティーニ、アントニオ・グエラ、ゲオルギ・ムディバニの共同執筆、撮影はジュゼッペ・ロトウンノ、音楽はヘンリー・マンシーニ、編集はアドリアーナ・ノヴェッリがそれぞれ担当。出演は、「男と女と金」のマルチェロ・マストロヤンニ、「イタリア式奇蹟」のソフィア・ローレン、「戦争と平和」のリュドミラ・サベーリエワ、ほかにアンナ・カレーナ、ジェルマーノ・ロンゴ、グラウコ・オノラート、カルロ・ポンティ・ジュニアなど。
主演のソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニは、60~70年代のイタリア映画界を代表する大スターとヘンリー・マンシーニによる哀愁のテーマ曲も忘れがたい。
この映画の主役であるソフィア・ローレンの年月を経た七変化が非常に興味深い。出会った頃からソ連への夫探し、そしてその後・・・と表情が変わって行く。特に「その後」の彼女は劇中で一番妖艶で綺麗に見えた。
とても評判の良い映画であったが、一番気になったのは記憶を失っていた夫は「失ったままで」結婚(重婚)してしまったのか?である。まだ「失ったままで結婚してしまい、再会して記憶が戻る」であれば救いようがある話なのだが、映画では意識がしっかりした上での重婚のようである。それじゃあ~男が駄目じゃない。ちょっと前まで日本でも騒がしていた「二股」と一緒である。だからそんなことをしておきながら、未練がましい男の女々しい行動にはつい「けぇ」と思ってしまうし、元妻としても迷惑この上ない話であろう。だからラストシーンの感動も薄れてしまう。
所詮「焼けぼっ杭に火は点かない」のだと思う。