これまで数多くの日本人メジャーリーガーが誕生したが、現在私が一番注目しているのはダルビッシュでもゴジラでも松坂でもなく、斎藤隆(42歳)である。2006年にマイナーリーグデビューし、メジャーに昇格するといきなり24セーブを挙げ、チームの新人記録を樹立した。私が驚いたのは2007年6月26日37歳で159キロ(99マイル)を出し、当時の日本人最速記録を作ったことである。
実際彼がメジャー挑戦を表明した時、横浜在籍13年間で87勝80敗48Sの成績と年齢を見る限り、私を含め大半の人たちが彼の活躍は期待していなかったと思う。それが渡米してから投球フォームをメジャーの固いマウンドに対応した変え(左足を真上から踏み込むスタイル)、色々とトレーニング方法等を試行錯誤し続けた結果、42歳になった現在も150キロ前後を投げる「剛腕投手」へと変貌していた。年齢と共に剛から柔へと変化するアスリートは少なくないが、その逆を行っているところが何とも素晴らしい。
彼曰く『すべてを終わりにすることも出来る。逃げたりすることもそんなに難しいことじゃないし、物事を止めるのはとても簡単なことだったりする。でも行くべき道がまだある。振り返ることはしないし、戻ることも出来ない』と言っていたが、なんとも格好良い姿勢である。
40歳を過ぎたアスリートの活躍が同世代としてはただただ嬉しい限りである。
【明日6/6(水)は定休日です】