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わたしの2型糖尿病の治療の変遷 NO.2

2015年05月14日 | 日記
 2型糖尿病と診断されて、栄養士さんの支持に従い、食品の単位表に従って話しを聞いた。
 しかし、一人暮らし、というよりも母親の介護中でもあり、食生活の根本的改善は殆ど無理であった。まずは、糖分・炭水化物の摂取を控えることと、大好きな果物の摂取を控えることとした。

 当時は、HbA1cのことはよく知らずにいたので、記憶ない。食事で、炭水化物の摂取を止めてしまうと、身体はエネルギーとして、ブドウ糖を必要としているために、自分自身の脂肪や筋肉などをブドウ糖に変えてエネルギーにする仕組みがあることは、後に勉強して知ることになるが、この時期の無知な私は、炭水化物の含有量が少ないヨーグルトを中心に食べて血糖値のコントロールをしていた。
 後に知ることになるが、ヨーグルトは、牛乳の産地で、生乳としての保存ができないことから、バターを作り残りの生乳を乾燥させて、脱脂粉乳を作り、保存又は、この状態であると輸送が簡単になるために、産地、主に北海道や外国からの輸入など流通形態に便利であった。
 加工乳と明示してある牛乳があるが、これは、このバーターと脱脂粉乳を消費地で混ぜて温水で溶かし、カルシュームやビタミンを強化した牛乳が売られているのはこうした、流通システムから生まれた副産物である。
 このうちの脱脂粉乳に水分を加えてヨーグルト菌を加えて製造販売していることが解った。脂肪文はないが、乳糖という成分が含まれていて、ある意味では理想の食品であったことが理解できた。

 当時はアメリカで、『カーボカウンティング』という考え方があり、炭水化物の摂取を止めて、蛋白質を摂取することで、体内のブドウ糖の量を少なくして、コントロールする考え方が日本にも渡ってきた。しかし、炭水化物からできるブドウ糖は、脳の働きの唯一のエネルギー源であることなどのために、肝臓では糖の生成を行っているし、低血糖を抑制するためのシステムとして、小腸に達した食物を感知すると、小腸からインクレチンという物質が膵臓にゆき、α細胞に働き、肝臓の糖の生成を抑制する。また同じく膵臓のβ細胞に働きインスリンの放出をうながす。しかしこの状態は、約5分間で、DPP-4という物質でインクレチンが加水分解されて、効力を失わせる働きがある。低血糖を防ぐシステムが厳重に働くように身体はそのシステムを進化させてきた。このシステムから2型糖尿病薬などが開発されている現状がある。

 これはどういうことか、我々ホモサピエンスもその進化の過程では、殆どが『飢え』との闘いであったのではないかと想像させる。インスリンは血液で運ばれてきたブドウ糖を細胞内に取り込むための酵素であり、身体の維持に欠かせないエネルギーを血管から身体中の細胞に配るホルモン物質である。そして脳の唯一の活動源としての血糖が、血管内から失われると意識がなくなり『死』が待っている。そのために食糧事情が悪い状態が日常であった人類の過去、低血糖対策は欠かせない身体のシステムであったのだろう。肝臓での糖生成システムも『飢え』で新たなエネルギーが身体に入ってこない場合に対処している。

 時代は食物の大量生産ができて、砂糖の値段も安い(発展途上国での栽培で、人件費の安さ)甘い飲料が戦後アメリカから入ってきて、我々はコカコーラを呑むことが、流行の先端であるかのように振る舞った。アメリカ式ドーナッツやパンに付ける甘いピーナッツバター、甘いことが豊かさと思ってきた過去がある。炭水化物の塊であるポテトもいろいろな加工食品が出回った。マクドナルドの1号店が銀座に現れたことは、良く言われているので知ってる人も多いだろう。ここでアメリカのアイダホで栽培されたポテトが付け合わせにあり、アメリカの農産物の輸出戦略は、戦後学校給食にパンを取り入れる援助から始まっている。小麦の輸出国としての日本の食生活を変える戦略であった。そしてアイダホの新種改良された大型のポテトで作ったポテトフライ、ポテトチップスが、日本でも人気が出ることになる。
 
 話は脱線するが、馬鈴薯、ジャガイモ、ポテト、呼び名は日本でもいろいろあるが、この植物は南アメリカのアンデス山脈の高山の寒冷な地域の作物であった。ちなみに、トウモロコシ、トマトも南アメリカのアンデス地方が原産地である。
 大航海時代にスペインの植民地になった南米諸国からこのポテトはヨーロッパに伝わって、まずは家畜の餌として栽培され始めた。しかし、16世紀から地球は小氷河期に見舞われた。麦類を主食にしていたヨーロッパでは、寒冷のために、この小麦を中心とした穀類が育たなくなってしまった。そして寒冷でも良く育つポテトを人間が食料とすることになるのである。今、ヨーロッパに残るポテトの食文化はこの時に生まれ育った。

 本来、こうして飽食や砂糖文化や、栽培技術であまり食べられなかった果物などが豊かになり、高カロリー食事ができるようになり、その時代がまだ始まったばかりで、飢えに対応してきた人類の身体が対応できずに色々な病気を起こしてる遠因にもなってきている。しかし 食料事情が良くなり、人間の平均寿命は飛躍的に伸びたのも事実ではある。

 さて、わたしの治療であるが、血糖コントロールがうまくできはじめたこと、医療機関でも褒められたことで、張り合いもあり良い状態が暫くは続いた。脱脂粉乳で作られたヨーグルトは乳糖という炭水化物の影響で、身体はブドウ糖の需要を満たし、インスリン注射でそのブドウ糖を適度に体内に取り込めて、インスリン抵抗性の高いでの血管内のブドウ糖が使えない状態で、身体の脂肪を使う必要がなくなり、激やせが直り、身体のだるさも直ってきた。何よりもこの脂肪の燃えカスである、ケトン体が尿中に出なくなり身体の機能が正常に近くなってきた。

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