写真はジーエスエックス腕時計。
現場から戻ると私の机の上に腕時計本が2冊置いてあった。どうやらゾエが置いたらしくこれで勉強しなさいとのことのようだ。
なになに、腕時計には機械式、電池式、ソーラー式、電波式あるみたいだ。
げ、100万だ!200万だ!がざらにある。
ぺらぺらとページをめくり、目についたのがジーエスエックス社の都市シリーズの京都だ。お値段も五万円と少々、これだ。私はそのページのコピーをとった。もちろんカラーで。そのカラーコピーを持ってさっそくベスト新宿へ、私は赴いた。
ベスト新宿。ゾエによると1階から6階まで全てブランド時計埋め尽くされた腕時計専門店とのこと。しかもジーエスエックスはこのベスト新宿の経営者が創業した会社だそうだ。その店は紀伊国屋書店を歌舞伎町に向かった少し先にあった。ブランド店だけあってなかなかな雰囲気。もう少しマシな格好で来るべきだった。すでに怖気ずいている私。怯むな、胸をはれ、ジーエスエックスは2階だ。
「いらっしゃいませ」
さっそく綺麗な店員さんがお出迎え。私はこの手の綺麗な店員さんの接客に弱い。
「あのー、これください」
カラーコピーを差し出す私。怪訝そうな表情の上に笑顔を重ねた綺麗な店員さんがそれを受け取った。
「こちらの商品ですな、いまお持ちしますから、どうぞお座りになって、お待ちください」
勧められた椅子に腰掛け、両の拳を握りしめ、私は俯いていた。
「お待たせしました。どうぞお手にとってください」
ニッコリ微笑む綺麗な店員さん。
「これください」
「かしこまりました、ベルトの調整をいたしますので、どうぞ」
白い手袋をした手が、ベルトの間に差し込まれた。
「2つほどお詰めしますね」
今度は奥から男の店員さんがやって来てその腕時計をさげに来た。私は綺麗な店員さんと対面する形となった。
「普段はスーツなどはお召しになりますか」
ニッコリ問いかける綺麗な店員さん。
「たまに着ますね」←この前着たのは一年前。
「スーツですと、あちらですと少しカジュアルかと」
私はこの手の綺麗な店員さんの接客に弱い。
机の上に置かれた2つの腕時計のケースを見つめてゾエが言った。
「スーツ用で、もう1つ買わされたんですか、しかも機械式を」
「だって綺麗な店員さんだったんだもん」
もう1つ買った時計。
「ゾエ、おまえがちゃんと教えてくれないからえらい恥かいたぞ」
「何ですかいったい」
「会計済ませて商品を渡された時、(また4・5年したらおいでください)ってその綺麗な店員さんが言うから何のことやらさっぱりわからなくてキョトンとしてたら機械式はメンテが必要て言われた」
「貸した本に書いてありますよ」
「そこまで読んでない、しかも費用が4万ぐらいかかると言われた」
「機械式はそう言うものです」
「そんなもん2つも買ったんだぞ」
「知りません」
しばらくするとゾエから尊崇の念を私に込めて、ケースとGショックが贈られた。
(乗せられて機械式時計を2つも買ってしまった男を哀れんでと言う説もある)
保坂さんから、今までの私の貢献に感謝を込めて贈られたソーラー式時計。
(何かくれ-何かくれーー何かくれーーーとうるさいので仕方なくくれたと言う説もある)
ケースの中に洒落で壊れた時計を入れて私の逆鱗に触れて、お詫びのしるしにS原から贈られた時計。
梟がモチーフになっている。
某Aよ!競輪で万車券当てて私に電波時計贈るってどうよ。