写真は、「しらふで生きる」 町田康 幻冬舎 1500円+税。
相変わらず、理屈っぽく、何をいっているのか理解出来ないところが、多々あるが、どうやら酒をやめると良いことずくしらしい。その良いことを町田は4つあげている。
1ダイエット効果
2睡眠の質の向上
3経済的な利益
4脳髄のええ感じによる仕事の捗り
特に作家である町田はこの4を重視しているようだ。
そして町田はさらに書く。
「その利得についてはすでに述べた。そんななか稍抽象的で分かりにくいかも知れないと考えて書かなかったことがある。
というのは、精神的なゆとり、ということである。ゆとりという言葉には今は悪い印象がある。別の言葉で言うと、余裕・余白ほどの意味である。遊び、と言ってもよいかもしれない。これまてはそうした余裕・余白がなかったため、強い刺激、という目的に向かって高速且つ最短で向かっていたのだが、余裕・余白が生じて、ゆっくりと時に立ち止まりながら歩むことができるようになった。
そうするとそこに意外のよろこびや驚きがあることを知った。それは草が生えたとか、雨の匂いとか、人のふとした表情のなかにある愛や哀しみといった小さなものである。急いで通り過ぎると見落とし、見過ごすようなものである。けれどもそれこそが幸福であるということをやっと知ったのであった。」
P214から
そうか、禁酒もまんざらでもないかと思いながら、私はカンチュウハイを飲みほしたのである。
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