ミャンマー・日本語学校ブログ

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ヤンゴン在住12年の作者がお届けします。

感電している人にさわるな?

2008年07月16日 | ミャンマーでの生活
1ヶ月前のジャーナル誌に「感電している人に触るな」という見出しで記事があった。

この記事を読んだときはさっぱり意味がわからなかった。

記事の要約は、今感電してビリビリしている人を助けようとして、感電している人に触ってしまうと、助けようとした人も感電して死んでしまう。

助けるときは竹の棒を使って電線を叩き落すのが一番良いそうで、または電気を通さない服などの生地を使って、直接感電している人に触らないようにして助けるのだそうだ。

サイクロン「ナルギス」の後、垂れ下がった高圧電線に触れて感電した人が2人、それを助けようとした2人、合わせて4人が亡くなったということが書いてあった。

しかし、よくわからないのはここからなのである。

「感電している」のだから時間的な経過があるはずだ。

なんで感電している人は自分で電線から手を離さないのだろう。
自分だったら、「ビビッ」と来た瞬間に反射的に手を離すだろう。

この点が不明なまま、納得できずに何となくモヤモヤとしていた。

ところが、昨日思わぬことから答えがわかったのだ。

昨日、マンションの浴室で使っている給湯タンクを修理に来てもらった。
いつも来ている修理の人なので、顔見知りである。

彼は2週間前にシュエダゴンパゴダ近くにある中国人(雲南)の宗教施設の給湯タンクの保守に行ったときに感電して死ぬところだったという。

給湯タンクに関係する電気は電源を切って脚立の上で作業していたのだが、近くを通ってる360ボルトの高圧線に触れてしまって4,5分ずっと感電していたそうだ。

同僚の補助員の男もその場にいたのだが、助けることができずにその場で泣いていたという。

感電した修理人は意識朦朧の中、脚立から倒れ落ちることで感電死から逃れた。
しかし、心臓停止し意識不明のまま病院に運ばれた。

幸運なことに、病院で心臓マッサージを受けることにより意識が回復した。
しかし、腰から床に落ちたために、腰を骨折する大けがをした。

彼に「どうして感電しているのに、自分で手を離さなかったのですか。」と聞いてみた。

「家庭用の電線は220ボルトで、感電しても瞬間的に手が離れるから何も問題ない。しかし、360ボルトの高圧電線は電線を流れる電気に手を引き寄せる力が働くため、自力で電線を離すことができない」という。

そうか、確か中学校のときに電気、磁力、力の関係を習ったことがあった。
電気に手を引き寄せる力が働くとは知らなかった。

以前、ミャンマーのあるギャグ映画の中で電力局の人が電線を修理しているとき、感電してブルブルと震えているのを観客たちが大笑いで見ていた。

さらにそれを助けようとした三枚目スターもブルブルとなって、さらに大笑いとなった。

そのときも、こんな漫画のようなことは実際にはないだろうなと思っていたが、そうでもなかったのだ。

自分は12年間のミャンマー生活中、感電したことは2回あったが、ぱっと手を離すことができたので良かった。

彼が話してくれたことによって高圧電線の危険、感電の怖さを知ることができた。
しかし.....日本では考えられない話だ。

ミャンマーに住む人は気をつけてください。
今度から垂れ下がっている電線には絶対に近づかないようにしよう。

追記:修理してくれた彼の家もサイクロンにより全壊(家ごと吹き飛ばされた)したそうです。彼の家はミンガラードンからさらに北に行ったタウチャンという町にあります。
タウチャン町でも多くの家がサイクロンの暴風のために全壊したということです。

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