ミャンマー・日本語学校ブログ

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ヤンゴン在住12年の作者がお届けします。

被害が拡大した本当の原因は?

2008年05月12日 | サイクロン関係
(↑写真は被害の状況を伝えるジャーナル誌)

5月10日発行の国営紙によると、サイクロン(ナルギス)による死者が23,335人、
負傷者1,403人、行方不明者37,019人と発表されていた。
この数字が正しいとすると、史上まれにみる大惨事、大自然災害と言うしかない。

なぜこんなに被害が拡大したのだろうか。
1.サイクロンが襲ったのが夜中で、真っ暗な闇の中、逃げ場を失ったこと。
2.住民にサイクロンに関する知識がなかったこと。
4.政府や気象庁からの警報がうまく伝わらなかったこと。
5.泳げる人が少なかったこと。(ミャンマー人はほとんどが金槌です。)

など色々と考えられるが、直接の原因は風だろうか、それとも水だろうか。

国営紙の表現では「サイクロン風による被害者」となっている。

今日発行のジャーナル誌に被災地の写真が出ていた。
風によって屋根が飛ばされたり、家ごと破壊された家も多く見られたが、意外に多くの建物が残ってる。

記事の中にクンジャンゴン町の被災者の証言が出ていた。それを読むと、
「風のせいで人が死んだのではなく水が最大の原因だ。水といっても川の水ではない。トー川(イラワジ河支流の川)にベンガル湾からの潮が逆流して来て、一気に水かさが増して、洪水になった。(中略)強風や川の水が溢れただけではそんなに問題ではない。人、家畜の命を奪ったのは夜明け前に一気に押し寄せた潮のせいだ。」とあった。

なるほどと思った。
これは明らかに高潮と高波(ただの高波ではなく津波のように波長の長い波)が一気に押し寄せたことが想像できる。

「一気に押し寄せた潮の流れは人、家畜をさらって行きそして引っ張って行った。」

これは大津波が押し寄せたときの様子と酷似している。
「引っ張って行った」とは一気に引いて行った引き潮のことだと思われる。
水かさが増えただけでは人は死なない。水に何らかの勢いが加わると、死亡率が何万倍にも増えるのだ。

今日の授業に欠席したある生徒の親族のことを他の生徒から聞いた。
その子の祖父はラプッタ町に住んでいたが、今回のサイクロンの被害に遭い亡くなった。家業として製塩業を営んでいたそうだ。生徒の従姉妹、従兄弟や製塩の現場で働いていた労働者60人は全員今も行方不明ということだ。
ラプッタは製塩の町として有名であるが、全ての製塩所が破壊されてしまった。
浸水しただけでは破壊されるということは絶対にない。
しかも体力のある若い青年60人が皆、行方不明になるはずもない。
これはやはり津波のように恐ろしい猛烈なエネルギーを持った潮の流れが発生したに違いないと思った。

日本には災害専門の研究者がいるが、ミャンマーにはいない。
だから、今回の大惨事の本当の原因はまだ明らかになっていないが、日本から専門家が現地調査すれば本当の原因がわかるだろう。


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