旧プチ民宿高橋 山口編

宇宙、日本、宇部

俺の血や肉となった名盤たち その1

2005-04-06 22:25:49 | music
真心ブラザーズ 「KING OF ROCK」

このアルバムを聴いてから、俺の音楽性が結構変わった。

このアルバムを買った日の事はよく覚えとる。
今から10年前の1995年5月1日。
20時10分に小倉駅に着いた俺はそのまま銀天街を南下し、
今は無き「前田音楽堂」で購入。

どーでもいいが、その時小倉駅は仮駅舎だった。

その日から、ブルーハーツ一辺倒だった俺に変化が起きた。

そもそも、THE真心ブラザーズが好きだった。
シニカル且つ何処となく冷めた感覚で、
日常を風刺するような歌詞が好きだった。

その「何処となく冷めた」にとても都会っぽいものを感じた。
何にでも熱くなっていた当時、自分は田舎者だと思っていた。
明らかに自分には携われていないそのセンスに、憧れを感じた。

このアルバムは、真心ブラザーズに改名してからの1作目。
非常にひ弱な感じだが「ロック的衝動」と、
「1発録り」というものを教えてくれた。

このアルバムも普通の日常の事を歌っている。
ただ「ロック」だった。日常的なのに「ロックだった」。

この僅かな差についてよく考えた。
そしてそれは「生き方」であるという結論に至った。

普通に生きていても、仕方が無い。
ちょっとでも個性的に、目立って生きていく方が楽しいのでは?と。
そうする事によって、楽しい事や熱い実績が
自ずとついてくるのではなかろうか?と。

少なくとも「普通でいてはいけない」と思った。

11曲目に「STONE」という歌がある。
尿道結石の歌だが、歌詞があまり一般的とは云えない。

こんな歌を聴いていたら、
かーさんがステレオの電源を切ってしまうかもしれない。
でも、東京の人はこれを聴いて「いい歌だね♪」とか
云ってるのだろうか?と布団の中で考え妄想を膨らませた。

それからこういう自己表現方法もあるのか!?
と勘違いし、俺の言動が徐々におかしくなってきた。

話は変わって、3曲目に「愛」という歌がある。

「愛とはこんなに大事なもの、愛とはこんなに素晴らしいもの、
愛は神様と同じ、自分に酔ってる奴には見えない」

「俺の体を支える骨、絶対幻なんかじゃない、
俺の流す悔し涙は、熱くて辛くてばくはつするぜ」

「君と一緒にいたいだけなんだ、君に触れていたいだけなんだ、
君と一緒の物をみたいだけなんだ、優しくして優しくされたい」

俺はこの詩に痛くショックを受けた。
ただ、現実は難しく、こんな名フレーズを知っていながらも、
何度も失敗を繰り返した(笑)

4曲目に「マイ・バック・ページ」という歌がある。

「ああ、あの頃の僕より、今のほうがずっと若いさ」

と淡々と歌う。

アルバム全体を通して、前向きな気持ちと、一生懸命さを感じる。

ほんとに素晴らしいアルバム。
歳を重ね、視点の位置が高くなっても、
新たな発見と感動をくれるアルバムやと思う。

つづく。

kingofrock





これは限定版ではない