人工保育のクマ、2日に11歳に、生存記録を更新中
2010年12月1日(水) 共同通信
愛媛県砥部町の県立とべ動物園で1999年に生まれ、飼育員が母親代わりに育てた雌のホッキョクグマ「ピース」が2日、11歳の誕生日を迎える。
国内初の人工保育の成功例で、生存記録を更新中だ。
ピースは母グマの育児環境が整わなかったため、飼育員の高市敦広さん(40)が自宅に連れ帰り、生後110日間ほど家族同然に一緒に寝起きし、ミルクを与えた。
暑がるピースのために冬でも窓を開けた。
ホッキョクグマのピースと飼育員の高市敦広さん=11月26日、愛媛県砥部町の県立とべ動物園
以 上
国内でのホッキョクグマの出生は、それまでに122頭報告されていましたが、半年以上育ったのはわずかに16頭と極めて生存率が低く、また、人工哺育の成功例は全くありませんでした。
当園で出生した2頭のうち、1頭は発見時には既に母親による咬傷(かみきず)を負っており、救命処置を施しましたが、2時間後に死亡し、残る1頭を人工哺育に切り替えた結果、現在でも順調に成長しています。
この人工哺育ピースの記録は、NHKでテレビ放送され、またDVDも発売されています。