野良猫1000匹に不妊・去勢手術へ 神戸「人と共生」推進協設立
2017年4月18日(火) 産経新聞
事業計画などを決めた神戸市人と猫との共生推進協議会の設立総会=神戸市中央区(写真:産経新聞)
1日施行の「神戸市人と猫との共生に関する条例」に基づき、市が立ち上げた推進協議会の設立総会が17日、市役所で開かれた。
野良猫の繁殖を抑制するため、5月中旬までに「繁殖制限対策区域」を選定し、今年度中に約千匹の不妊・去勢手術を実施することを決めた。
同条例は全国で初めて野良猫の繁殖制限に特化し、将来的な猫の殺処分数ゼロを目的としている。
市によると、平成28年度に市動物管理センターが引き取った猫579匹のうち、406匹が殺処分された。
殺処分率は70・1%だった。
設立総会には、市獣医師会や市自治会連絡協議会の代表ら約20人が出席。
野良猫の不妊・去勢手術を全額公費で行うことを盛り込んだ事業計画などを決議した。
事業には市の補助金1100万円を充てる。
繁殖制限対策区域は市内約120カ所を想定。
5月初めにも野良猫に関する情報を受け付け、生息状況や住民の苦情を考慮した上で、優先的に行う区域を決めるという。
公共の場での野良猫への餌やりに関するガイドラインも年度内に策定する。
市獣医師会長で、協議会の会長も務める中島克元さん(61)は「殺処分ゼロまでのスパンは長い。条例を機に、猫との関係を皆さんで真面目に考えていただければ」と話した。
【神戸市人と猫との共生に関する条例】
2017年4月1日 条例が施行されました。
人と猫が共生できるまちづくりの観点から、野良猫の繁殖制限や譲渡の推進に関する施策などを定めた「神戸市人と猫との共生に関する条例」が、平成29年4月に施行されました。
これにより、猫の飼い主の責務が明確化されるとともに、猫の販売・譲渡しを行う動物取扱業者の役割、市民・事業者が周辺の生活環境に悪影響を及ぼすことがないよう猫を適正に取扱うことなどが規定されました。
また、人と猫が共生する社会の実現を図るための推進主体として「神戸市人と猫との共生推進協議会」が野良猫の繁殖制限などの具体的な事業を市と連携して行っていくことについて定められました。
神戸市人と猫との共生に関する条例 本文(PDF形式)
にゃカペラKOBE!猫たちが共生条例をPRします
You Tube
https://www.youtube.com/watch?v=8SoAGjGBnoU
条例に定める責務・役割
条例では、猫の飼い主の方をはじめ、動物取扱業者や市民・事業者の方などの役割が規定されています。
人と猫が共生できるまちづくりのため、みなさまのご協力をお願いいたします。
神戸市の責務
猫の適正な取扱いについて広く普及啓発します
地域猫活動への支援・普及啓発をします
野良猫の繁殖制限に関する事業への支援・普及啓発をします
猫の譲渡の推進に関する事業などを実施・普及啓発します
猫の飼い主の責務
人に迷惑を及ぼさないよう、適正な飼養に努めましょう
さいごまで責任をもって飼い続けましょう
迷子札など身元を示すものをつけましょう
家の中で飼いましょう
不妊去勢手術を受けさせましょう
動物取扱業者の役割
猫の販売、譲渡しを行う際には、適正な飼い方を飼い主に説明し、理解を得るよう努めましょう
(例:食事面や病気面、飼育環境のことなど)
(例:飼い主の責務、マナー、関係法令のことなど)
市民・事業者の役割
条例の趣旨を理解し、施策・事業・活動に協力しましょう
周辺の生活環境に悪影響を及ぼすことのないよう、猫(野良猫を含む)の適正な取扱いに努めましょう
条例に基づく神戸市人と猫との共生推進協議会
条例に基づき、獣医師会やNPO団体等が、市の協力のもとに、「神戸市人と猫との共生推進協議会」を組織して、野良猫の繁殖制限事業や譲渡の推進事業等を行います。
協議会の設立に向けて
平成29年4月17日(月曜)に協議会の設立総会を開催します。
順次ホームページ等で、協議会の事業や協力者の募集等についてお知らせしていきます。