捨て犬を「福祉犬」に パスドッグ協会
2014年12月26日 10時03分 佐賀新聞
利用者の歩行支援をするポインター犬。福祉犬として訓練を受けている=白石町福富の桜の園
【訓練し、お年寄りの家庭へ】
飼い主に捨てられた犬を「福祉犬」として訓練し、新しい飼い主に橋渡しする団体が佐賀市に誕生した。
お年寄りの家庭で日常生活をサポートする役割を担う犬に“転身”することで成犬の譲渡を促し、殺処分の撲滅を目指す。
団体は6月に正式発足した「日本パスドッグ協会」。
同協会は、捨てられて動物管理センターに収容された犬を、障害者らをサポートする介助犬と同様の育成プログラムで専門のトレーナーがトレーニング。
訓練を証明する認定試験も設け、基準をクリアした犬を新しい飼い主へ引き渡す。
現在、白石町福富の特別養護老人ホーム桜の園で飼われているポインターの「ポン太」を、福祉犬第1号として訓練している。
ポン太は2年ほど前、佐賀市内の山中でやせ細った状態で保護された後、同センターに収容されたが、桜の園が引き取っていた。
訓練を受けたポン太は、利用者の歩行支援など活動の幅を広げており、トレーナーの植松俊樹同協会副理事長は「成犬でも正しく訓練すれば、基本動作やしつけ、マナーなどを習得して人間と共生できる」と強調。
弟子丸雅理(まさり)理事長は「飼い主の都合で捨てられる犬は後を絶たない。犬の能力を引き出して命をつなぐとともに、動物愛護の啓発も進めたい」と話す。
保護施設を運営するため、公益財団法人「佐賀未来創造基金」などを通じて寄付を呼び掛けている。
問い合わせは同協会(クリックビー内)、電話0952(40)8522へ。