動物たちにぬくもりを!

動物愛護活動の活動経過や日々の出来事、世の中の動き等幅広く紹介します。

東日本大震災の被災犬を飼って

2013-01-31 15:41:28 | 東日本大震災

 ひさい犬をかって ~ 福島より

小学校5年生より

「実家で犬をかうことになったよ。」
仕事から帰ってきたお母さんが言いました。
そのとたん、わたしの心は、おいしいから揚げを食べたときのようにピンク色になりました。
一週間後、おじいちゃんはいろいろな書類を持って、福島市の動物きゅうごシェルターというところから犬をつれて来ました。
おじいちゃん達は、ひさい犬の里親になりました。
東日本大震災でひさいして、かいぬしが見つからずに保ごされている犬のことを、ひさい犬というそうです。
「フク」それがこの犬の名前です。
おじいちゃんがフクをつれて帰ってきた日、わたしはすぐに会いに行きました。
初めて見るフクは、おびえておじいちゃんの後ろにかくれていました。
おじいちゃんは、「今は、おれしかたよる人がいねえだべえ。」とわらっていました。
体を小さくしてぷるぷるふるえているフクは、あばら骨がみえるくらいやせていて、右の耳の毛がなくなっていました。
その日からわたしは、時間がある日は、お母さんにたのんでフクに会いに連れて行ってもらいました。
フクは、さんぽが大好きです。
初めのうちは、おじいちゃんといっしょにさんぽに連れて行っていました。
初めて一人でリードを持った時、すごくドキドキしました。
でも、フクはわたしの言うことを聞いて歩いてくれました。
わたしは、自信を持ってさんぽをすることができました。
わたしはこわがりで、犬が苦手でした。
でも、フクは、おとなしい犬で、こわがりのわたしにぴったりな犬だなあと思いました。
わたしとフクは、お休みの時、いろいろな場所にでかけました。
いつものお散歩コースよりも遠い公園に出かけたり、河原に行ったりしました。
帰ってくると、フクはのどがかわいていたようで、お水をがぶがぶ飲みました。
わたしもとなりで、むぎ茶をがぶがぶのみました。
ある日、おじいちゃんの家にいくと、いつもはかくれてしまうフクが、自分からわたしのところにきてくれました。
そして、わたしの手のにおいをくんくんかいで、ぺろぺろとなめてくれました。
いっしょにいればいるほど、かわいく思えてきました。
最近考えることがあります。
こんなにかわいいフクなので、元のかい主さんは、どんなに心配しているでしょう。
もう死んじゃったと思っているかもしれません。
フクだって、本当の元のかい主さんとくらしたいと思っているかもしれません。
フクは話すことはできません。
でも、きっといろいろなことを考えていると思います。
3月11日、わたしの学校でも校庭にひなんしました。
でもわたしは、けが一つしませんでした。
お家もこわれませんでした。
家族もみんなぶじでした。
でも、フクはたいへんな目にあいました。
フクがいたところはつなみがきたところだからです。
インターネットで調べてみると、その場所はつなみの被害が大きく、がれきでいっぱいになっていました。
フクは、しんさいから八ヶ月後にシェルターのしょく員の方に保ごされたそうです。
八ヶ月もの間、がれきの町で何を食べていたんだろう。
一人ぼっちで、どんなに心ぼそかったんだろう。
今、わたしにできることは、大変な目にあったフクがこれから安心してくらせるようにする事です。
小さな事だけど、いっしょにお散歩したり、ボール投げをしたり、ブラッシングをしたり、おやつをあげたりして、フクとずっと仲よくしたいです。
そして、フクの元のかい主さんに伝えたい事があります。
フクは、今も元気です。
ご飯もたくさん食べています。
みんなでかわいがっています。
これからも、フクを大切にしていきたいと思います。


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