動物虐待の摘発、過去最多に 猫カフェで餌やらず飼育も
2018年4月5日(木) 朝日新聞
動物虐待事件の推移
警察庁は5日、猫や犬などの動物を虐待したとして警察が昨年、動物愛護法違反で68件を摘発し、76人を逮捕・書類送検したとのまとめを発表した。
前年より6件、10人増え、現在の統計の取り方になった2010年以降、いずれも最多。
警察庁は「動物愛護への関心の高まりが通報の増加などにつながっているのではないか」とみている。
警察庁によると、摘発された76人のうち、逮捕されたのは7人。
68件の動物は猫が46件、犬が16件、ウサギや鶏などが6件。
内容は、置き去りなどの遺棄が35件で最も多く、殺傷が20件、餌を与えないなどの虐待が13件だった。
▽猫を捕獲器に閉じ込めて熱湯を浴びせたりガスバーナーで焼いたりして殺す
▽ウサギを手で殴る
▽猫カフェの経営者が餌や水をやらずに飼育する
――などのケースがあった。
加害者本人が虐待の様子を撮影した映像をネット上に投稿し、発覚するケースも散見されるという。
動物愛護法は、愛護動物をみだりに殺傷した人に2年以下の懲役か200万円以下の罰金、餌を与えないなどして衰弱させたり、病気やけがをしているのに適切に保護しなかったりといった虐待や遺棄をした人に100万円以下の罰金を科す。
一方、野生の鳥類や哺乳類に対し、矢を刺すなどの行為は鳥獣保護法(捕獲の禁止など)の適用対象になり得る。
昨年摘発された同法違反事件は351件。
警察庁は「この中に虐待が含まれる可能性があるが、数は把握していない」としている。
(編集委員・吉田伸新八)