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延びるペットの寿命

2013-10-15 07:24:37 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

延びるペットの寿命 介護、老犬ホーム…高齢犬と暮らすには

産経デジタル

獣医療の進歩やペットフードの進化などでペットの寿命は延びている。
ペットフード協会(東京都千代田区)によると、平成24年の犬の平均寿命は13・94歳、猫は14・45歳。外に出ない猫の場合は15・74歳だ。

◆一人で悩まずに
高齢になった犬や猫に待つのは介護の問題だ。
「ペットの介護も人と同じ。自分の生活を削って介護を行うと、心がすさんでしまう。飼い主が楽にならないと犬にも優しくできない」。
ペットの介護サービスを提供するペットケアサービスレッツ(江戸川区)の三浦裕子社長はこう話す。
同社はしつけ教室のほか、1日預かりや訪問ケアなど老犬介護のサービスを提供。
利用者は30~70代と幅広い。
日中仕事をしている人や介護に疲れて少し休みたい人などがよく利用するのがデイケアだ。
高齢で要介護状態の犬でも利用できる高齢犬向けのホテルも用意。
自宅介護用のケアプランも提案してくれる。
老犬介護を担当する伊藤みのり副社長は「老犬の介護はこれからの分野。一人で抱え込まず、相談してほしい」。
飼育が難しくなった場合、動物愛護団体やシェルターに引き取ってもらうなどの選択肢がある。
千葉県大多喜町のシェルター「NPO法人ワンパーズ」に5月末に引き取られた13歳のビーグル犬。
飼い主は東京都内の70代の女性だった。
マンションに1人暮らしだったが、病気で長期入院が決まった。
「安楽死も考えたが、かわいそうでできない。他に手段があるなら・・・」と考えた。
ワンパーズ理事長の池田豪さんは「犬が悪いわけでも飼い主が悪いわけでもない。ただ、飼い主、ペットがともに高齢化する中で保護活動をしないといけない状況がある」。

◆余生を過ごす
最近、注目されているのが老犬・老猫ホームだ。
栃木県日光市の「ペットリゾートカレッジ日光」には、住環境や年齢、病気など飼い主の事情で一緒に生活することができなくなった老犬や老猫が入居している。
利用者のほとんどが60代。
8月中旬現在で、犬51匹、猫8匹を15人のスタッフが世話をしている。
猫は定員いっぱいのため、引き取りを中止している。
入居費用は犬種や期間によって異なる。
預かり責任期間3年で、それ以降は料金がかからない。
一括払いの場合、小型犬と中型犬は8歳未満で240万円、8歳以上では150万円。
所有権は飼い主のままのため、一緒に暮らせることになった場合、連れて帰ることができる。
ホームのマネジャー、藤田泰昌さん(40)は「ペットホテルや動物病院でも1カ月以上利用すると、料金も大変。今後は老犬・老猫ホームの需要は増すのではないか」と話している。
ペットを託す場合、事前に施設へ問い合わせをして、信頼に足る施設かどうか確認することが大事だ。

■「愛犬の介護で成長できた」
ペットの介護を通じて絆が深まった人もいる。
千葉県市川市のドッグトレーナー、太田美智代さん(48)は現在、10歳の犬の飼い主だ。
かつて、介護の末に愛犬を看取(みと)った経験もある。
太田さんが飼っていたキャバリアのラルフは平成18年8月、10歳で死んだ。
生まれつきの心臓病で5歳から投薬治療を続けていたが、「最後の2カ月は自宅で介護をしました。ほとんど眠れませんでした」と振り返る。
ラルフは呼吸が浅く、眠ることもできずに苦しんでいた。
体中にむくみができ、1時間おきに体勢を変える必要があった。
しかし、太田さんは「ラルフとの生活を通じて慈しむ気持ちや我慢する気持ちを教えてもらった。人として成長できたと思う」と話した。