和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

磯田道史の新書2冊。

2013-11-24 | 地震
磯田道史氏の新書2冊。
「歴史の愉しみ方」(中公新書)
「歴史の読み解き方」(朝日新書)

その両方に、地震や津浪について触れた文が掲載されています。
そこから少し引用。

「あの日、地震に揺られながら『ああ、これで世の中は変わる』と思い、同時に『歴史学はこれまで地震や津波の研究をあまりしてこなかったから、自分がやらなくてはいけない』と思いました。地震津波の古文書を探すのは私が一番の適任ですから。
実は私の父が農芸化学の専門家で、土壌肥料を研究しておりました。それで家には地質図がたくさんあり、私はそれを持って、地学の探査をするのが、子供のころの趣味でした。そんなわけで20代前半ぐらいから地震や津波の古文書を集めていました。
これを研究することで、人命がかかった問題に答えることができるとわかっていたのに、着手が遅かった、という無念の思いがあります。」(「歴史の読み解き方」p172~173)

「・・今、政府が対策を練っているのが南海トラフ巨大地震です。これが来ると、最大の予測で32万人の方が亡くなる恐れがあります。東海筋に歴史津波の研究をする大学の日本史教員が何人いるかと考えたら、ゼロなんです。これはまずいと思っていたら、ちょうど浜松の大学で教員の公募が出ましたので『行きます』と家族にいい、誰も反対しませんでしたので、浜松に移り住みました。」(p173)


「歴史の愉しみ方」は昨年の2012年10月に出ておりました。
そこからも、少し引用。

「震災以来、水戸でも余震が激しく、一日40回以上揺れた日はまるで舟の中にいるようだった。私のいる茨城大学の図書館も被災した。書庫の床は積雪ならぬ積書25センチになり立ち入り禁止となった。・・・」(p129)

「次に大津波のきそうなところで、しばらく歴史津波の古文書をさがそうと思って、2012年4月から静岡文化芸術大学にうつり、歴史上の津波の講義をはじめた・・・
歴史事例から津波の怖さを学生にさんざん講義したら『東海地震の怖さは小学生の頃からずっといわれてきたが、先生ほど具体的な話をする人はいなかった』と・・・」(p135~136)

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