和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

面白い雑誌をつくるには。

2022-08-20 | 道しるべ
産経新聞の8月20日
『花田紀凱(かずよし)の週刊誌ウォッチング』から引用

「新聞、テレビなど大メディアが、一方に振れたとき、
 ちょっと違うのでは、こんな見方もあるのでは、
 と発信するのが、雑誌ジャーナリズム、特に週刊誌の役割だろう。

 ところが、このところの『統一教会』批判、まさに『魔女狩り』
 とでも言うべき大メディアの報道に、異を唱えるどころか、
 週刊誌も一緒になって煽(あお)っている。

 実に情けない。

 ・・・その『新潮』、今週もトップは『統一教会』で・・・

 7月の参院選で、萩生田光一氏が、生稲氏を伴って
 八王子市内の関連施設を訪れたという、たったそれだけの話。
 ・・・・・

 渡邉哲也さん(経済評論家)が、こんなことを言っていた。

 『 統一教会系の団体の会合に出たとか追及されて
   ヘドモドしている政治家も情けない。そう言われたら、
   ≪ いや、私、創価学会の会合にも、立正佼成会、霊友会
     の会合にも出てますよ。何が悪いんですか ≫
   と返事すりゃいいんです  』              」


週刊新潮の表紙絵・谷内六郎さんが亡くなってあと、
いちばんの痛手は、新潮社の編集者・齋藤十一さんが亡くなった
ということでした。

小島千加子さんの「齋藤さんの徳」には、

「・・やがて週刊誌へと移行、
 自分の思い通りの誌面造りへと発展させたのである。

 誰もやろうとせず、やれなかったことをやるのが人間としての生き甲斐、
 という齋藤さんの、果敢な精神の発露である。   」
                          ( p38 )

 亀井龍夫の「私は齋藤さんを生きている」では

「 ・・・・
 私にいわせれば、程度の低い人を相手になさらなかっただけだと思う。

 何をいってもわからない、わかろうとしない、
 そういう人を相手にしているヒマはない。

 これが齋藤さんの生き方であり、
 私も年をとればとるほど、程度の低い人は相手にしないに限る
 と考えるようになっている。この面でも私は
 齋藤さんを生きていることになるのであろうか。    」( p87 )


伊藤貴和子さんの「『ひかり』の中で」には

「『 人の群がるところに行くな 』

 『 読者がこういう本を読みたいだろうから、
   ではなく自分が面白くて、読みたい本を出せ 』

 『 本は書名が命だ 』
 『 宣伝文句に、使いふるされた文言を使うな、自分の言葉をみがけ 』

 等々、編集者の心得を日々叩きこまれた。  」 ( p131 )


うん。あと一人。
松田宏さんの「 齋藤さんの思い出 」に

「 齋藤さんとのエピソードは書けばきりがない。
  私が接触した齋藤さんは、いわば晩年の齋藤さんである。

  しかし、編集理念に衰えは見られなかった。
  その理念とは何かと聞かれれば、
  『逆説』という一語につきるかも知れない。

  戦後民主主義のバカさ加減をあますところなく追究された。

  『面白い雑誌をつくるには面白い人間になれ』
  よくおっしゃっていた言葉だ。・・・       」( p140 )

 以上の引用は、「編集者齋藤十一」(冬花社・2006年)でした。

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2 コメント

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週刊誌 (kei)
2022-08-20 20:32:11
こんばんは。

父は通勤の電車内で「週刊新潮」を読んでいたようでした。
私は表紙絵で谷内六郎さんを知ったのが始まりかもしれません。
編集者の斎藤十一さん、徳のあるずいぶんご立派な方だったようですね。
返信する
徳は弧ならず。 (和田浦海岸)
2022-08-21 08:59:10
おはようございます。keiさん。
コメントありがとうございます。

『徳』をkei さんとりあげましたか。
うん。ここは『徳』つながりで、
漱石の俳句が浮かびます。

 累々(るいるい)と徳弧ならずの蜜柑哉

半藤一利著「漱石俳句を楽しむ」(PHP新書)で
はこう説明しておりました。

「・・里仁篇の『徳は弧ならず必ず隣あり』を、
 いっぱいミカンのなっている風景とした。
 たしかに蜜柑はそんなふうに生(な)る。 」
               ( p133 )

はい。ということで、今日のブログは
漱石の俳句をとりあげることにします。
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