「危機管理のときにはまず、事実を正確に認識している専門家の助言を第一に尊重しなければならない。」(p80)
長谷川慶太郎・日下公人著「緊急出版 東日本大震災 大局を読む!」(李白社)をひらいたら出てきた言葉でした。
そのまえがきは日下公人氏でした。そこから引用。
「・・・・経済については経済学者に聞けばよい、社会については社会学者に、金融については金融学者に聞けばよいという常識は、このところ完全に崩れている。専門家は視野が狭すぎるし、理論に偏して実際を知らないから、解説は的外れだし、未来予測はたいてい外れてばかりだからである。
失敗を恐れて自分の頭で考えないから、発想はマンネリで、それに日頃から交友が少ないから、データに頼って考えようとするが、他人がつくったデータには多くの場合、操作が入っている。つまり、だまされる。
その結果、自信を失って、結論はマスコミの結論から借用してくるから、専門家ぶるだけの人の話は、『十人一色』である。3月11日以降の東日本大震災の報道で、多くの人がそれを知った。・・・・
菅首相は総合対策本部をつくるのが好きだが、あまりうまく行かないのは、そもそも総合ができるほどの幅広い知識・体験・英知を持った人が日本には少ないからである。・・」
その最後には、こうありました。
「日本ではジェネラリストというと、広く薄く知っているだけだから役に立たない人の意味になるが、アメリカでは優先順位をつけられる重要な人の意味になるらしい。
私たち二人は、年齢のせいで戦前の日本も戦後の日本も、それから現在の日本も知っている。そういう意味のジェネラリストがあるかどうかは知らないが、ともあれ、たいていのことには驚かないから、日本がこれからどうすればよいかについても一般とは違うことを考えている。そのいくつかをこうして対談できた・・・・」
情報の瓦礫をかきわけられ、一本の道が現れたような、そんな読後感。
すくなくも、テレビの各種情報への免疫力がついたと、そう思えるのでした。
え~と。今日は「新潮45」6月号を買いました。
その表紙は、中央に漁船の写真。舳先から写しております。
普段は見えない赤い船底もあらわれ、船底の舳先の突起もみえます。
空には、星。夜明けが近いのでしょうか、うしろの山の輪郭が明らんできています。
船底の両脇には、瓦礫。まるで、それをかき分けて進むようでもあります。
長谷川慶太郎・日下公人著「緊急出版 東日本大震災 大局を読む!」(李白社)をひらいたら出てきた言葉でした。
そのまえがきは日下公人氏でした。そこから引用。
「・・・・経済については経済学者に聞けばよい、社会については社会学者に、金融については金融学者に聞けばよいという常識は、このところ完全に崩れている。専門家は視野が狭すぎるし、理論に偏して実際を知らないから、解説は的外れだし、未来予測はたいてい外れてばかりだからである。
失敗を恐れて自分の頭で考えないから、発想はマンネリで、それに日頃から交友が少ないから、データに頼って考えようとするが、他人がつくったデータには多くの場合、操作が入っている。つまり、だまされる。
その結果、自信を失って、結論はマスコミの結論から借用してくるから、専門家ぶるだけの人の話は、『十人一色』である。3月11日以降の東日本大震災の報道で、多くの人がそれを知った。・・・・
菅首相は総合対策本部をつくるのが好きだが、あまりうまく行かないのは、そもそも総合ができるほどの幅広い知識・体験・英知を持った人が日本には少ないからである。・・」
その最後には、こうありました。
「日本ではジェネラリストというと、広く薄く知っているだけだから役に立たない人の意味になるが、アメリカでは優先順位をつけられる重要な人の意味になるらしい。
私たち二人は、年齢のせいで戦前の日本も戦後の日本も、それから現在の日本も知っている。そういう意味のジェネラリストがあるかどうかは知らないが、ともあれ、たいていのことには驚かないから、日本がこれからどうすればよいかについても一般とは違うことを考えている。そのいくつかをこうして対談できた・・・・」
情報の瓦礫をかきわけられ、一本の道が現れたような、そんな読後感。
すくなくも、テレビの各種情報への免疫力がついたと、そう思えるのでした。
え~と。今日は「新潮45」6月号を買いました。
その表紙は、中央に漁船の写真。舳先から写しております。
普段は見えない赤い船底もあらわれ、船底の舳先の突起もみえます。
空には、星。夜明けが近いのでしょうか、うしろの山の輪郭が明らんできています。
船底の両脇には、瓦礫。まるで、それをかき分けて進むようでもあります。